第6話 神主、悲しみに暮れる
たまが消えた。
行方不明だ。
私は探した。
町を、川を、山を、至る所を探し尽した。
近所の人にも聞き回った。
神社に暮らす猫の噂はお爺ちゃん世代から引き継がれているようで、見ず知らずの人も協力してくれた。
SNS機能を使い、私の撮ったたまの写真を拡散してくれた。
沢山の人が協力してくれた。
それでもたまは見つからなかった。
私に愛想をつかしたのか。
そうではない。
たまは見られたくなかったのだ。
自分の死にゆくその姿を。
ああ……たま……。
「せめて……お別れが言いたかった……」
その日から私は良く寝込むようになっていた。
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