第4話 神主、猫を敬う


 

 たまとの出会いから八年。


 未だ私は一人身で、たまもまた一人身だった。


 猫は生後一年で十五歳、二年で二十四歳で、その後は一年につき約四年分の歳を取るらしい。


 これはあくまで人間の歳で換算した場合である。


 今のたまは八歳……いや、出会った当時から数えているからその前の事も考えれば九歳になる。


 人間で言えば五十二歳。


 もう立派なシニアの仲間入り。


 私の歳はとっくに抜かれてしまっていた。


 年上であるたまを敬わねばなるまい。


「ありがたやありがたや」


 手と手を合わせて拝んでみた。


 周りにしたお爺ちゃんお婆ちゃんも一緒になって拝んでいた。


 たまは神様が遣わした天使ではないかと錯覚する事が偶にある。


 たまだけに。

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