五歳児が築き上げる異世界内政改革

難病によってその生涯を閉じてしまったゲームクリエイターの主人公が、異世界の貧乏貴族の長男オルクスへと転生し、現世で果たせなかった願いを叶えるため、領地を開拓していく姿がワクワクする。

戦争で亡くなった父親に代わって、たった五歳で領地の運営を引き継ぎ、早熟の天才として頭角を現していくオルクスに、さまざまな無理難題を押し付ける周囲の大人たちが大人気ないが、いかなる無茶振りも軽々と乗り越えて功績を積み上げていくから痛快なのだ。
ときに幼子とは思えぬ思慮と見識で大人たちを諭すこともあり、いったいどちらが大人か子供かわからない。

そんなオルクスだが、うっかり出世してしまったために隣国に出張させられたり、戦争に出兵させられたりと、余計な仕事を抱えて本来の領地開拓から離れていってしまうという誤算に頭を悩ませる姿が可笑しい。
五歳にしてすでに大物感を漂わせる彼が、次はどんな活躍をして周囲の度肝を抜くのか楽しみだ。

(必読!カクヨムで見つけたおすすめ5作品/文=愛咲優詩)

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