第93話

 一学期の初めの行事、身体検査、及び魔力診断の日がやって来た。我がクラスはトップで検査を受ける。書類をはじめに出したのが功を奏したらしい。


「オルクス君下着で体重と伸長を測ります。終わったら服を着て隣の視力検査へ、その次が魔力診断へ行ってくださいね」


「はい」


 横のカーテンから、うお! 伸びてんぜ! なんて聞こえてくる。とりあえず、靴を脱ぎ服をたたみながら脱ぎ、パンツ一枚で体重計と身長測定が同時に行われる機械に乗り込む。


「身長116.1、体重21.1。はい、お疲れさん」


「ありがとうございます」


 服と靴を身に着け、次は視力検査である。


「視力補正のスキル使わないようにね。じゃあ、始めます」


「上、右、下、上、上、右、左、下、下」


 次左目ね。と言う流れで、視力が両方2.0であった。本をよく読んでるのに、視力が落ちないのはどういうわけか。まあ、悪くないのならばスキルは良い意味で働くからいいのだが。


「次魔力ね。魔力に関する装備品は外してくださいね」


「はい」


僕が腕輪を外そうとしたとき、静電気が流れたような少し痛みが走った。外すなってことかね? とりあえず、そのまま水晶のような球体に手を乗せる。


「ゆっくり魔力流してくださーい。はーいはーい、まだいけるかな? まだ? え? まだいくの? もうそろそろ。あ、ストップ」


「これ以上やると水晶が割れますね。魔力抜きましょうか?」


「あ、出来るなら助かる」


「では……」


 君凄いね! 是非、軍の魔術師院か、魔術師ギルド、宮廷魔術師の試験受けるのをお勧めするよ! と言われたけど、行く気はないのでと曖昧な笑みを漏らして応えた。勿体ないなー、とは聞こえているので。お構いなくである。



 保健室を出ると、後に控えている女子の列があった。


「ヴレーデさん、アーレ君が最後に札を持ってくるはずなのでそれが男子の測定終了の合図です。後はお願いしますね」


「はい!」


 何故彼女はそこまで元気よく答えたのだろうか? それは良くわからないが、後の事は任せて講堂へ戻ればいいだろう。



 ♦



 教室ではデインズ先生が机に手紙を配っていた。


「お疲れ様。男子は途中よね?」


「はい。まだ順番交代の札は女子側には渡っていないと思います」


「じゃあ、1時間目は休講ね。何もないんだし、ちょっとてつだってくれる?」


「はい」


 先生が生徒の机に三種類の用紙を配っていっている。これを一種類持って僕は反対側の席から回っていく。ちなみに講堂の作りは教卓と黒板が前になりそれを段差ごとに机が設置されている、段差のある席だ。僕用に段差のあるいすが置かれているのは言うまでもない。


「伸長、伸びてたかしら?」


「まあ、平均値並みには」


「男の子は急に伸び出すから、間接とか骨が痛いときは無理しない事ね」


「お風呂上りとか、寝る前の柔軟は人知れずやってるんですけどね」


 そんな他愛のない事を言っていると、ちらほらと男子生徒が帰って来た。


「何かの知らせ、ですか?」


「うん、行事の再通知と、生徒会の人事がもう決まったらしいよ。あ、無理に敬語とかいらないよ。クラスメートなんだし。オルクスでいいよ」


「あー、俺、ラエス・フティオ! ラエスって呼んでくれよ」


「何だ? ラエス、と――」


「普通に呼んでくれってよ」


「オルクスだよ。よろしく、アーペリ・アグリコラ」


「なんで……」


「それはクラスメートなら名前覚えるだろ? 自己紹介なんて前にやったじゃないか」


「そりゃそうだがよ」


「僕が、誰の名前も覚えてない女子の人気取りか何かだとでも思ったかい? それとも鼻持ちならない奴とでも思ったのかな。だったら誤解だと理解してほしいところだけどね」


「あー、なんてーか、近づき辛い印象があるからよ」


「仕事の時は仕方ないけど、普段は声を掛けてくれればいいよ。用事が無ければ何か手伝うこともできるよ。というわけだから、二人とも向こうからこれ机に置いていくの手伝ってよ」


「お前から頼むのかよ」


「1時間目は休講なんだって。これさえやれば、後は自由にしてていいんだから」


「しょうがねーな。ラエス、勝負だ!」


「嫌だよメンドイ」


「つれねー奴だな」



 ♦♦♦



 なんて子だろう。相手の心の壁を、隙間を縫って通り抜けるのが上手い。いや、警戒心を解かせるのが上手いのか。分担作業でも、嫌々やらされたり命令されるより、フレンドリーな方がよっぽど相手の印象が良い。


 この子が大人になった時、私達は骨抜きにされてやしないかしら。それが不安と言えば不安ではあるけど。彼は学院で派閥を作ろうとかそう言う動きをこれまで見せていない。警戒のし過ぎかしら。ただのクラスメート、友人として接しているだけよね? 裏なんてないわよね?


 そんなことを想いながら用紙を配り終えた私は、黒板に1時間目休講、配布された用紙の確認をするようにと書いて教室を出た。2時間目の用意をしないといけないしね。


 私が職員室に入ると、リッテマン教授が昨日貰ったお菓子に蜂蜜を付けて頬張っていた。


「デインズ先生。悪いがこれをあの子に持っていってやってくれ。昨日言ってた一覧表と教科書に資料じゃよ。役に立てばよいがな」


「ここにも骨抜きにされた人が」


「ん? なんか言うたかの?」


「いえ、後で渡しておきます」


 たのんだぞい。そう言って背もたれにもたれお茶を飲み始めたリッテマン教授。私の考え過ぎであり、彼がそんなことに労力を割くなんて思わないけど……。


 やめよう、この話はなかったことにして、まだ時間のある私は席について、お茶を入れてある水筒を開けて、蓋をコップにして飲む。氷入れてて正解だったわ。それと、引き出しを開けて、昨日帰りがけに貰ったクッキーと蜂蜜を軽く口に入れる。甘味が私のもやもやする頭を緩和させてくれるようだ。


 20分ほど落ち着いて席でお菓子を食べて、お茶を飲んでいると職員室の外が騒がしくなってきた。何かしらね、と隣の席にいるフリーヌ先生と視線が合った。


「騒がしいですね」


「私のクラスじゃなきゃいいんだけど……」


 そんな無責任な言葉を発したフリーヌ先生に、何も言うことなくお茶を飲み干す私も能天気かもしれないわね、と思った。その時職員室の廊下側の扉が開かれ、何か知らないがうんざりしたような表情の教員が深い溜息をついた。


「ティカイネン先生、どうされたのかね。廊下が煩いようだが」


「提出用紙を出した出してないで揉めている生徒がいまして……」


「ほう? 実際はどうだったんで?」


「提出忘れでした。その組は検査を明日に延期です」


「ほほほ、まあ、忘れたなら仕方がない。次に回せるなら結構な事じゃ」


 やーね。頼んでおいた仕事すっぽかされるって。逆にデインズ先生のところの子は優秀ね。ちゃんとやることやるんだもの。なんて言いながら、彼女は氷とレモンが浮いた紅茶を飲み始めた。


 行事確認もしてくれてますからね。そつなくこなすのが彼なんでしょう。そう言って返すにとどめた。



 ♦



 僕がPCとにらめっこしているときでも、時たま声を掛けてくるクラスの生徒がちらほら出始めて来た。最初の二人が起爆剤となったようだ。声を掛けられるのが距離があれば手を振るに留めるし、近づいてくれば手を止めて話を聞くくらいにはなった。


 補佐役がいるときはさすがに声を掛けてこないが、その辺のメリハリは12歳なのだから付けられるのだろう。


「ノーエルンさん、進捗どうですか?」


「現在役所の移動中です。窓口は旧役所で17時まで職員がいつも通りです。書類も今日中にはなくならない分だけ残して移動中です。懸念としては役所の移動を、庶民が理解しているかと言うところでしょうか」


「明日は立て札と案内役をつけて10日ほど様子を見ましょう。口コミでも広がるでしょうし、仕事の斡旋は彼等の懐に直結する大事ですからね。間の抜けた人や字が読めない人の為に5人程配置させましょう。移動が終わればすぐに書類の整理を進めるように。後回しにしてはどこで問題が起こるか分かりませんからね。早目に物事を終えさせてください」


「分かりました」


 そう言って彼は講堂を出ていった。


「ホクットさんに頼んでた方はどうでしょう?」


「最新の書式に全て変更済みです。ただ、書式の発行に手間がかかるものも含まれていますので配分を今まで通りでいいのかと確認されました」


「……、大凡問題ないとは思いますが。最初に持って行った書式以外のものは一日の消費量は分かっていますよね?」


「大体200、多くて250あれば問題ないと」


「では、発行部のノルマで300を上限に予定を組んでください。余剰の上限が500になったら打ち止めで、消費量の多いものは1500枚を基準に余剰が越えれば打ち止め。その方針で生きましょう。書式の在庫は必ず毎日確認することを徹底させてください。ヘッケン所長ならミスもないでしょうが、作業を行うのは人ですから念の為に職員に徹底を。……ふー、とりあえず、何とかここまでこぎつけましたか。お疲れ様です。ただ、最後まで気を抜かず継続できるように周知をお願いします」


「分かりました、では自分も行って参ります」


「お願いします」



 今日のお供は、ケンプにカイネ。僕が一息つくと共に飲み物が出された。


「4時間目が体育だったかな。」



 体育でさすがにPCを持って回れない。


「ケンプに権限を譲渡するから無理しない程度出来る範囲で、フィナトリーとカイルナブイのデータを打ち込みしてくれる? 後で閲覧させてもらう」


「カイネも4時間目は休んでていいよ。またここで合流という事にしておこう」


「かしこまりました」


「よろしいのですか?」


「いつも従者を侍らせているのは、権限を持っていてもやはり世間体というものがある。僕の他に3年生から従者、使用人のお供は認められてるけど。僕はその辺特別なんだよ。だから周りからも触れられがたい存在と思われる面もある。そう言うのを緩和する、あるいは特別視する相手の気持ちを汲む、かな。そう言う事だと理解してほしい」


「主がそうとお望みでしたら。かしこまりました」


「うん。部屋にある本は自由に読んでていいよ。図書室も使える許可は下りてるはずだ。暇つぶしに利用するといい」


「はい」



 ♦



「おい、オルクス4時間目体育だぜ。何するか聞いてるか?」


「アーペリか。恐らく身体測定じゃないかな? 身体検査の延長だよ。運動能力を測るのも含まれてたけどやってなかったろ?」


「まじかー。まあ、測定も悪かないか」


「何かあるのかい?」


「いや、だってほら――、ってぇな!」


「お前のその趣味は何とかしろよ。オルクスにバカをうつすな」


「俺が馬鹿みてーじゃねーか! だって飛んだり跳ねたりしたら、ほれ揺れるだろ!」


 おいおい、サイレントかけたままで正解だった。でも、ジェスチャーで何を彼が言っているのか、分かる子もいるらしい。僕は苦笑いで場を濁す。


「だから、測定が終えれる順番が早い僕等は、また講堂でのんびりできるんじゃないかな? ササっと済ませて、のんびりするのが良いと思うよ」


「何言ってんだよ。最後まで残って女子の――」


「ちなみに、もうサイレント解いてるから、大声出すと聞こえるよ?」


「むぐ!」


「あほう~」


 アーペリがラエルの煽りでムキーと喚く。とりあえず2時間目が終われば着替えに行かないといけないからな。移動は面倒だが仕方がない。そうこうしている内に3時間目の授業を始めるべく、デインズ先生が教室に入ってきた。


「3時間目終わったら、4時間目は身体測定だから、着替えたら運動場と体育館の方に移動してね。誘導の先生に従うように。早く終われば4時間目も休講なのでそのつもりでいてね」


 じゃあ、3時間目始めるわよ。そう言って教科書を開いた先生は、何事もなく授業を始めるのだった。ちなみに3時間目は算術の授業である。これはまた小学生レベルな……。言っても仕方がないが。


野外での測定に、立ち幅跳び、走り幅跳び、ボール投げ、短距離走50m走、長距離持久走1500m走。体育館での測定に、握力測定、反復横跳び、上体起こし、長座体前屈、立位体前屈、垂直跳び。その辺が盛り込まれている。これは純粋な身体測定なので魔力やスキル、武技は使用してはならないと、再三注意を受けている。


 それでも、使ってしまう子も出てくるのだろう。3時間目の授業を終えて早速更衣室に移動する。男女別の講堂のすぐ隣にある更衣室。アーペリの鼻息が荒いのは何とかならんものだろうか。いつしか男子全員が、女子からジトっとした目で軽蔑の眼差しで見られるようになるなんてたまったものではないぞ。


「女子の更衣室は隣の部屋だよ。軽蔑されたいなら突っ込んで来たら?」


「行くわけねーだろ! さすがに俺でもはぶられたくねーわ!」


 さすがにそう言う認識はあるんだなと、人知れず安心する僕。無節操に突っ込んで行ったら、僕は友人としてもクラスメートととしても付き合いたくはなくなるだろう。


 さておき簡単に着替えたはいいが、半袖に短パンはさすがにまだ早い。ジャージを着て防寒にしておかないとね。


 更衣室を出ると、既に女子は整列している。数が少ない男子の方が遅れて出て来たという事だ。うん? 整列を何でしてるんだろう。


「ヴレーデさん。今回は普通の授業の中で測定なので、整列はいりませんよ。軍隊ではないんですし、ばらけていって問題ありません」


「そ、そうなんですか!?」


「ええ、身体検査とは別の認識で大丈夫ですよ」


「なーんだ。並ばなくても良いんじゃない」


「ただ、他のクラスと合同でするようですから。我々は規律があるとアピールするのも良いのかもしれません。折角並んでるのですしこのままいけばいいかと思います」


「はい。アーレ君、男子先頭でお願いします!」


「あいあい」


 で、運動場に出たのだが風がまだ冷たい。ジャージで良かったと思う。それと、他のクラスがばらけて座っているのに対し、僕等のクラスは整列して座っているので、先生達がまず1組から始めると順番を決めることになった。


 立ち幅跳び、走り幅跳び、ボール投げ、短距離走50m走、長距離持久走1500m走。と特に特記することはない。僕は基本的に後ろから数えた方が早い記録であるという事を述べておく。次に体育館だが、これも特に握力測定、反復横跳び、上体起こし、長座体前屈、立位体前屈、垂直跳び。僕の記録は……。もう言わなくてもわかるだろ?


 年齢的にしょうがないんだから。魔力を使わなければこんなもなんだよ。誰が6歳で最強なものか。まあ、言われたことはないけど。僕はどちらかと言えば頭脳労働派だ。魔力や従者がいないとほんとに身体能力が低いのだから、変な目で注目を浴びるよりはいいだろうと思う。


「体育館の測定が終わった者は、順に講堂に戻り自習してなさい。オルクス君、更衣室の鍵は保健委員に預けてるから貰ってきなさい」


「分かりました」


「オルクス、終わった?」


「ラエス。そっちも終わったんだ。さすがに男子は少ないと終わるのも早いよね」


「だな、教室戻って飲み物でも飲もうぜ」


「ええ」


 ん? アーペリは……。もうほっとこうか。



 ♦



 講堂の前の更衣室に戻るとケンプ達が入り口の前で待っていた。


「やあ、着替えるから講堂で少し待ってて」


「はい」


 僕とラエスガキが得ている途中、レクサンテリとアスコが更衣室に入ってきた。


「一番乗りかと思ったが、先がいたか」


「アーペリは相変わらずかい?」


「ああ、女子から白い目で見られてたぞ」


「基本はいい子なんだけどなぁ。女子に興味持つ度が強いよ」


「言えてる」


「あー、外まだ寒かったな。暖かいものが飲みたいぜ」


「良ければ、だそうか?」


「おー、助かる」


「俺も頼む」


「俺もお邪魔していいかい」


「勿論だとも」


 着替えながら自分達の記録を言い合いっこしている。あーこう言うの学生生活って感じるな。なんて思いながら講堂に戻ってくる。


「皆に適度な温度の飲み物を頼む」


「かしこまりました」


 オルクスとこは良いよな、付き添いなんて3年からって決まりなのによ。レクサンテリがそう言って来た。


「条件があるからね。それが達成されなきゃ今の状況は解除される。学年主席か次席が条件なんだから、これくらいは大目に見てほしいよ。何なら挑戦してみるかい?」


「俺は無理だな、良くて20位に入れば良いとこだろう」


「僕も同じだね。基本1組って成績上位者が組み込まれてるって噂だぜ?」


「じゃあ、アーペリもそうなんだ。なんだか意外だな」


「だろ? あ、ありがとう。あー、良い温度だ。これなら飲みやすいね」


「かーうめ! ってか、1500セルク(m)がしんどかった。あれペース配分考えないと死ねるぜ」


「だれか全速力で途中でへばったっていたんじゃないっけ? 誰かは見てなかったけど」


「アーペリじゃないのそれ。なんか短距離と間違えたとか言ってた気がする。こっちもペース考えて走ってたから追い抜いたけど」


「おいおい。成績上位者ってただの噂か?」


「そんな気がしてきた」


 飲み物を飲んでそんな他愛無い話をしていると、ちらほらと女子の姿が見られるようになった。


「ヴィクルンドさん、お疲れ。もう女子は終わりなの?」


「そうよ。男子、彼奴何とかしなさいよ。じっと座ってこっち見てくんのよ? 途中で先生に退場させられてたけど懲りずに、他のクラスの子見てるみたい」


「何でそう筋金入りなんだ?」


「さあ?」


「触らぬ神に祟りなし。ほっとこう」


「賛成!」


「あんた達ねぇ。あ、私にも飲み物ちょうだいよ。今日水筒忘れちゃったのよ」


「冷たくても温かくても良いわ」


 そう言ってこっちに来る放送委員の彼女。僕が目で合図するとケンプがインベントリから食器を出して、飲み物を注ぎヴィクルンドさんに手渡している。


「ありがと、あー生き返る!」


「お疲れ様だね。放送委員って集会はどんな感じだった?」


「自己紹介して終わりだったわ。特に先生も連絡事項なしって言ってたし」


「なら、休憩の時間の音楽かける役早目に取って置いたら? 他の役目を押し付けられるより自分で面倒そうなのをとっておく、と見せかけて点数かせぎするか、他のを吹っ掛けられないようにするのさ。後は球技大会で放送委員は参加しなくても良いポジション早めにとるのが良いかもね」


「わ、良く回る頭ね。さすが学級委員長。それ後で先生ところに行ってみるわ」


「そうすると良い。損して得取れってね」


 そんな事を言ってみたわけだが、後で他の委員から相談を多く持ちかけられることになるとは思っていなかった。自業自得とはこの事か? それに、先生に成績上位者がクラスに集められたのは本当かと、ラエスが聞いたらしいが、噂は半々らしい。まあ、そんな事だろうとは思ったけどね。


 なんせこのクラスに女子が多いのは半数がねじ込みなのだから。その辺は僕に関係することなので言わないが、ねじ込みをされた子女達は分かっているんじゃないだろうか?


 

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