Section43 小さな雨粒たち

 傘を叩く雨の音は、私に何の許可もなくメロディを作らせる。


 音は自然の中で発生し、私の頭の中で調律される。


 どうしてこんなにも雨の日は楽しいのだろう。


 私はそう思えてならなかった。


 だってそれは、私の創造力を掻き立て、爆発するように生み出される。


 バーーーーーーーーーーーン!!!


 ふふ、私の頭の中で爆発した音が、また一つの音楽を生み出した。


 早く、


 忘れない内に、形を与えてあげよう。


 小さな雨粒たちが、そうしたがっているんだから。


■古びた町の本屋さん

http://furumachi.link

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る