第2話
「ふう、任務完了!」
なにが起きたか分からず、僕は倒れている木部の元へ這いずりながら近づいた。
「木部くん!木部くん!死・・・死んでる・・・」
木部は息をしていなかった。
「きっ、きっ、君が殺したの!?」
目の前にいる彼女に問いかける声は震えきっていた。
「殺してなんかいないわ。怨念の魂を空気(くうけ)したのよ。」
僕には彼女の言ってる言葉の理解ができなかった。
「か、彼は生きているの?」
僕がそう言うと彼女は
「あなたの前にあるのは魂が抜けた、ただの器みたいなモノよ。魂が抜けた器はすぐ灰となって消えるわ。」
彼女がそう言うと倒れている木部が少しずつ消えていく。
「ねっ。」
僕は目の前で起きていることに絶望をした。
いままで悩むこともなく苦しむこともなく無難な人生を自ら歩んできたのになんで自分にこんな日が訪れるのか怒りに満ちた感情が溢れてきた。
「君は、何をしたんだぁ!!」
僕は感情をぶちまけた。
「だから空気(くうけ)したの。」
彼女は冷静に返答をした。
「だから、空気(くうけ)って何なんだよ!!木部くんにも家族がいただろうし、こんなことをしていいと思ってるのか!!」
声を荒げて僕は叫んだ。
「じゃあ、あなたはあの時死んでもよかったの?」
彼女の言葉に僕は戸惑った。
「彼は怨念の魂に汚染されたのよ。もう人間として生きることができなくなった、存在。」
彼女は続けてこう言った。
「彼らを野放しにしていたら、たくさんの人が殺され、この世界は滅亡してしまう。それを止めるために私は未来から派遣されてきたの。」
僕は目の前で起きた非現実的なことを信じたくなかったが、彼女の光り輝くオーラを見たとき、この現実が真実なんだと自覚した。
愛がなくちゃ戦えない ニヤノネネ @niyano-nene
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