愛がなくちゃ戦えない
ニヤノネネ
第1話
「あとは、これを組み立てれば、よしと。」
家具の販売と修理の小さな店で雇われ店長をしている僕。
気が小さくて、自分で言うのもなんだけど、お人好しだ。
目立つこともしてみたかったが、そんな勇気もなく無難な人生を歩んでいると自分で思って今日まで来ている。
「うん?もうこんな時間か、腹減ったなぁ。昼飯どうするか?今日もカップめんでいいか。」
カップめんを作りに給湯室に行くとアルバイトの木部がタバコを吸っていた。
「木部くん、うちの店は禁煙だよって言ったよね。」
僕はため息混じりに木部に注意をした。
「すいません。気をつけます。」
木部は無愛想にそう言うと足早に仕事に戻っていった。
昼御飯を終えて仕事に戻ると木部がお客さんと言い争っていた。
「お客様、申し訳ありません。木部くん、もういいから向こうに行ってて、わたくしがご案内いたします。」
僕は木部の横柄の態度に苛立ちながら、お客さんの対応に応じた。
『何なんだ!アイツ!あんなやつ、いなくなればいいのに。』
店の裏庭でタバコを吸っている木部を見つけた僕は彼に近づき声をかけた。
「あのさぁ、木部くん。ここは君は働いているんだよ。あんな態度をとるのはどうかと思うよ。君はうちの仕事が向いてないんじゃないかな。やめた方がいいんじゃないかな?」
苛立っているのについ軽い口調になってしまった。
いつもこんな感じだからお人好しと周りに思われてしまうと自己嫌悪に陥っていると木部が近づいてきた。
「死ねよ・・・」
小声で木部がそう言うと急に僕は息ができなくなっていく。
『苦しい・・・死ぬ』
意識が遠のいてく、視界も段々ぼやけていく。
《バンバン!!》
「ゲホッ!!ゲホッ!!」
突然息ができない苦しみから解放をされた。
目の前を見ると倒れている木部と拳銃のようなものを持っている白いロングコートを着た女性が立っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます