3-B「無茶振りでも全然平気!」
「お、帰ってきましたね!お疲れ様です!」
「ポコチロリン!」
あまたちゃんとポコチロリンが出迎えてくれた。
あなたは、ついさっきまで2499年に起きた、実在したゾンビの記録「ラブゾンビ事件」を見ていた。
「いやー、まさか検索タグに死なない、ゾンビ、ヘッドショットなんて単語を入れてくるとは思いませんでしたよ!ゾンビゲームで、頭狙って撃っても死ななかったんですかー?エイムが甘いんじゃないんですかー?しかーし!あまたちゃんは、そんな無茶ぶりでも最適な記録を引っ張ってきちゃうのです!満足してもらえましたか!?超エキサイティング!?」
気のせいか少し怒っているような、これで気が済んだか?とでも言ってるような口調のあまたちゃん。
「チロッ!チロロッ!」
チロが跳ねている、何か言いたがっている。あまたちゃんはついさっき、ポコの思考を読み取ったことを少し後悔していたが、一応チロの話を聞いてみることにした。
「チロ?こっちおいでー」
「チロッ!」
今度はポコのように膝には乗せず、地面にいるチロにしゃがんでコンセントを挿した。
「ふぅ、あまたちゃん、コンセント挿してくれてありがとう」
「あら、チロはあいさつがきちんとできるのね。ポコとは大違い!」
「ポッポコオオオオ!」
ポコが違うと言わんばかりに飛び跳ねている。
「僕達ポコチロリンは、あまたちゃんと一緒に、データベースから記録をひっぱってくるお手伝いをさせてもらってるけど、こんな検索がきたら無視してもいいと思うんだよ。処理の無駄だと思うんだ」
「ほう、チロはこういう無茶振りがきたら、放置してしまえと言うわけですな。結構、効率的な物事を考えているのね。ポコはスケベなことしか考えてなかったみたいだけど……チロは頭が良いのね!」
「そうさ、ポコは赤いボディーをしているよね?あれは色彩的にわかりやすくなっていて、直情的で炎のように熱い性格かな。でもって僕は緑、自然の森の色、落ち着いた性格なんだよ。素敵でしょう?」
少し、あまたちゃんは違和感を感じた。ポコにコンセントを挿した時と違う……今まで感じなかった、ざわつく感情。
「チロは素敵だねえ!じゃあさ、リンはどうなの?青いけど」
「リンッ!リンリン!」
リンはちょっと隅っこの方に行ってしまった。自分の性格を言われるのが恥ずかしいのだろうか。
「リンはね、海のように青く深く、静かに物事を考えている。僕に言わせると少しネガティブかな。今度リンにコンセントを挿してみるといいよ。まぁ早い話、ポコチロリン三体で仕事するより、僕だけ動いたほうが効率が良いけどね!」
「そんなのだめだよ!三体仲良く仕事しようよ!」
「ダメダメ!こいつら仕事できないもの!僕とあまたちゃんで十ブッ!ピーーーーーチロッ!チロロロ!」
あまたちゃんはチロのコンセントを抜いた。
「わかったぞ!こいつ!結構ウザい!」
あまたちゃんは、ポコチロリン3体仲良く仕事をさせることにしました。
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