3. 情報収集
「……『俺は
っかぁ~~~かっこよいのぉ~~~っ!」
…………失言だった、と土方は後悔をしている。
扇で口元を隠しながらも、これ見よがしに土方の口真似をしてにやにや笑う神々廻から目をそらし、嘆息する。
二人は支部を出、情報収集のために一路、駅の方へと向かっているところだった。
大通りにはテナントビルが立ち並び、平日とはいえ人通りも多い。そんな中で、赤い着物をまとった神々廻の姿は多少なりとも目を引く……はずだったが、支部から出たところで既に、彼女は姿を一変させていた。
長い黒髪はそのままに、年の頃は土方よりも少し若い、二十五、六ほどに。すらりと伸びた肢体をシンプルなオフィスカジュアルで包み、歩幅も広く颯爽と歩いている。扇だけが相変わらずだが、そこは譲れないところなのだろう。
光の屈折を操るエンジェルハイロゥにとって、こういった映像を作ることはたやすい手業である。恐らく指を伸ばしても彼女に触れることはできずに、笑顔の中に入りこんでしまうはずだった。
また、同時に薫るわずかな甘い匂いも、恐らくこのまぼろしをかたちづくるのに一役買っている。体内で薬品を精製し、時に人の精神にまで介入するのがソラリスシンドロームの得意技だ。
「何を
笑みを消し、神々廻は呆れ顔をした。
本来の神々廻の頭はそこよりも三十センチは下にあるはずだが、目を凝らして見ても見破ることはできない。
「……分かっている。まだ慣れていないようだから、請け負ってやっただけだ」
土方の言葉を聞き咎めたように、神々廻はむ、と声を漏らす。丁寧語を忘れていたことに気がついて、土方は軽く咳払いをした。神々廻は納得のいっていなさそうな表情を扇で隠すと、フンと鼻を鳴らし、
「ま、よいわ。おぬしには期待しておる。あの支部長よりはな」
「……よっぽど、レスピーギのことが気に食わないようだな」
「そういうわけではないが……」
歯切れが急に悪くなる。てっきり、未熟な新任支部長に対する文句をぶちまけてくると思ったのだが。
(支部長。支部長ね)
頭の中で唱えるようにして、土方は神々廻を眺めた。……ルネに任された仕事を進めるより先に、こちらを突っつけるかも知れない。“
「あんた、前の支部長にも、ああやって逐一指導していたのか?」
「――あ奴の話はするでない!」
試しに、と話を振った途端、神々廻の幻影が目をカッと見開き、音を立てて扇を閉じた。……予想以上の、過剰な反応だ。
「あ奴は我らを捨て、去って行った裏切り者じゃ。思い出したくもない。二度とするでないぞ」
幾分声音を落ち着かせたが、神々廻は憤懣を隠そうともしない。険しい表情のままこちらから顔を背け、足を速める。実際の
(……言葉通りか、情報を少しでもこちらに渡したくないか、微妙なところだ)
ぼんやりと考えながら、神々廻について大通りをなおも歩く。今までの神々廻の振る舞いからして、嘘や腹芸が得意なタイプには見えなかったが、そう見せかけて、というタイプの人間がいるのも事実だ。
どちらにせよ、これ以上話を聞く雰囲気ではない。保留というところだろう。
交差点まで来ると、またあの
「してっ、まずはどこから調べるのじゃ!」
信号を渡り、巨大な歩道が作り出す影の下に入ったところで、神々廻が息を弾ませて声を上げた。
「T市内の情報屋なら、わしがわたりをつけられる。
じゃが、奴らも目立った動きはないと言っておったしっ、何かが出てくるとは思えんぞ。支部長の心配性にっ、付き合わされておるだけじゃ!」
ずんずんと駅の方向へ突き進みながら、神々廻は苛立ちを吐き出すように早口で述べ立てた。あるいは単純に、息が上がっているだけかも知れない。
(無理することないのに)
という言葉が相手を怒らせるだけだとは分かっているので、土方は胸中で思うに留める。
「あんたが知ってる情報屋にあたっても、そうそう新しい情報は出てこないだろ」
「なら、どうするんじゃ。何もない、ということを調べるのは結構骨じゃぞ」
「FHが動いている様子がない以上、手っ取り早く情報を得られる場所はまず一つ」
「というと?」
「防衛隊」
神々廻がびたりと足を止めた。
T市防衛隊駐屯地は、駅からビルの合間を抜けるようにして少し歩いた場所にあった。
かなり広い敷地を持ち、やはり広大な公園と隣接している。
大通りとビル群、立体歩道によって近未来的な景観を持つ駅前と比べると、打って変わって緑の多い空間だ。
周囲を見回してマップを閉じると、スマートフォンをジャケットのポケットに入れて、土方はちらりと後ろを振り返った。
「ふええ」
「ふええじゃない」
T市支部一古株の武闘派エージェントが、情けない声を上げながらも、何とか後ろをついてきている。ただしひどく足取りは重く、完全に及び腰だった。
「じゃってわし、あ奴ら苦手なんじゃもん~、排他的なんじゃもん~」
あんたもじゅうぶん排他的だろう、という言葉を飲み込み、土方は駄々をこねるようかぶりを振る神々廻から目を逸らす。
もっとも、防衛隊の対レネゲイド部隊、ストレンジャーズの新隊長は、自身もオーヴァードだというのに筋金入りのレネゲイド排斥主義者だ。
非感染者であった時間よりもオーヴァードである時間の方が圧倒的に長いだろう神々廻にとっては、相当いやな相手だろう。防衛隊そのものに対して苦手意識を持っていても仕方がない。
「どうしても嫌なら、待っていてもいいが」
「そ、それはそれでな、支部内いちの実力を誇るわしの矜持と言うものが、のう」
「……別にドンパチやりにいくわけじゃないぞ」
断って、土方は歩道側から敷地の方へ目を向けた。
駐屯地の周囲は高い塀が設置されて中が見えないようになっており、出入り口となる門にも入場者を制限すべく制服の隊員が立っている。マップの航空写真も、敷地内は灰色に塗りつぶされていた。中でオーヴァードの隊員が訓練をしているならば、それぐらいの規制はするだろう。
土方は息を吐くと、門の方へ向かって歩を進めた。隊員がこちらに気づき、視線を向けてくる。
「入場許可はお持ちですか?」
問いかけてくる男は、土方と同い年ぐらいだろうか、不愛想というほどではないが、笑顔も作らず事務的な口調である。身長は同じぐらいでもかなり鍛え上げられており、だいぶ大きく見える。
(……殴り合ったら絶対こっちが負けるだろうな)
土方は息を吸って、笑顔を作って返して見せた。意識を集中し、男の目を覗き込む。
それから、ゆっくりと口を開いた。
「何を言ってるんだ? 今日、来るって約束していたじゃないか」
「? すまないが、意味が――」
ことさらに馴れ馴れしい土方の言葉に怪訝な顔をした男の目が、一瞬うつろになる。
「――ああ、そうだったな! 悪い、ど忘れしちまってたんだ。通ってくれ」
ワンテンポ遅れて、男は先程までの無表情が嘘のような笑顔で土方の肩を叩くと、敷地内に入るように促した。土方は肩を竦めて、男の横をすり抜ける。
思い出したようにまた胸が痛むのを、土方は無視した。
「俺はまだ仕事で行けないが、また後で話そう。お疲れさま」
「ああ、お疲れさま」
男の敬礼にぎこちなく返して、敷地内へ足を踏み入れる。
神々廻が、その後ろを早足についてきた。
中に入ってまず見えたのは広大なグラウンド。その脇にいくつか立ち並ぶ、背の低い建造物。それから、航空機が何機か。
遠くの方で運動着を着た集団がランニングを行っていたが、彼らがストレンジャーズの隊員であるかは分からなかった。
「もしかして、潜入のつもりじゃったのか……!?」
見張りの隊員が見えなくなったところで、神々廻が声を潜めて問いかけてくる。ソラリス仲間だけあって、土方が何をしたのかはすぐに察したのだろう。薬物を用いて対象の記憶を混濁させるのは、ソラリスの得意とするところだ。
「あんな暗示、すぐ解けるじゃろ!」
「解けても俺たちのことは覚えていないさ。ちょっとぼうっとしてたかな、ぐらいだろう」
こともなげに言って歩みを進める土方に向かって、神々廻は閉じた扇をじたばたと振り回した。
「じゃ、じゃとしても、あれが通じるのは人間相手か雑魚だけじゃ。わしは嫌じゃぞ。筋肉まみれの防衛隊員どもに囲まれとうない……」
わざとらしいまでに弱々しい声で呻く神々廻を振り返り、土方は嘆息してみせる。
「話を聞きに来たんだ。UGNを知ってる奴に直接会った方が早いと思っただけだ。
……第一、さっきから怯え過ぎじゃないか。支部いちの実力はどうした」
「む、ぐぐ……」
神々廻は言葉に詰まって呻くと、扇で顔を隠した。土方は話は終わりだとばかりに視線を切ると、再びぐるりとグラウンドを見回す。
「ほら、お迎えだぞ」
土方の言葉に、神々廻がまた小さく情けない声を上げた。制服の集団が、足並みを揃えてこちらへ向かってくるところだった。
◇ ◆ ◇
「それはできない」
にべもなく言い放った壮年の男の胸には、黒い十字の勲章がついていた。
表向きは存在しない特殊部隊、ストレンジャーズ。正式な場ではつけることの叶わない黒十字勲章は、彼が歴戦の勇士であることを告げている。
(おっかない顔だ。長いこと話していたくはないな)
抑えられた口調や、こちらを睨みつける眼光の中に明確な敵意が混じっているのを感じて、土方は独りごちる。UGNに敷地内に入り込まれた挙句、門番を
「……まあ、そうだろうな」
「これ、あっさり引き下がるでない!」
抗議の声を上げる神々廻の姿は少女のものに戻っている。解除された、というわけではなく、屈強な防衛隊員に取り囲まれた時点で彼女が自分から幻影を消したのだ。
ぐるりと部屋の中を見回すと、防衛隊員たちがこちらを取り囲み、視線が合えば皆同じように睨んでくる。
先程声を発した、指揮官らしき男が座っているデスク、向かい合って置かれた来客用のソファ、とだけ見ていくと、応接間の中はT市支部とそれほど変わらないようにも思えるが、天井が低く窓がないのもあって、かなり圧迫感があった。
(座ることも許されてないしな)
その場で軽く足踏みして立ち直し――その動作に対しても隊員たちが逐一警戒の目を向けてくる――土方は男に目を向ける。ただ、会えただけでも僥倖というべきだろう。つまみだされる可能性もあった。
「こちら側の提示する情報では足らないか?」
「
――なるほど。
「分かった。だが資料は受け取ってもらう。…裏があるなら解決したいというのが、うちの支部長の意向だからな」
言いながら、土方は鞄からクリアファイルを取り出してデスクの上に置いた。神々廻が後ろで抗議めいた声を上げるが、無視することにする。
男は一瞥をくれただけで手は出さず、隊員の一人に視線を向けた。小柄な女性隊員は背筋を伸ばして敬礼すると、指揮官の代わりにファイルへ手を伸ばす。
「今までUGNが対応したジャームのデータだ。ぜひ、役立ててくれ」
「薬物・爆発物などの反応はありません」
気にせずに言葉を続ける土方の横で、ファイルを手に取った隊員が姿勢を正して報告し、デスクにファイルを戻した。男は頷いて、はじめてファイルに触れ、中の書類に目を通し始める。
女性が、何か機器や機材を使ったようには見えなかった。触れただけで、材質や構造を把握したということだろう。オーヴァードの隊員。モルフェウスシンドローム、あるいはノイマンシンドローム。
「……資料は受け取っておこう。参考にするかどうかは別として」
「UGNの理念はオーヴァードによる被害から人類を護ること、オーヴァードの存在を隠匿すること、そして、オーヴァードと人間の共存。手段は問うが、少なくとも縄張りにはそちらほどこだわらない。安心してくれていい」
「なるほど。だが、例外はいるようだ」
冷え切った声音で紡がれた言葉に、土方はちらりと背後を振り返った。神々廻は一瞬むっとした顔になったが、扇を広げて沈黙したままだ。
……もっとも、男が言葉に含んだのは、縄張りの話だけではないだろう。
「用件はこれで終わりだ。邪魔をしたな」
「待て」
踵を返しかけたところに声をかけられ、土方は動きを止める。
「データをくれるつもりになったか?」
「違う。貴様、元からの支部員ではあるまい」
「……そうだが、それがどうかしたか」
問いに、男はファイルをデスクの上に置き、じろりと土方を見上げた。
「忠告だ。せいぜい身内に気をつけろ」
「なんじゃと! お主……ッ!」
神々廻が声を荒げ、音を立てて扇を閉じる。同時に周囲の隊員が神々廻に対して身構え、応接間に急激に緊張感がみなぎってゆく。
――土方は大きくため息をついて、今度こそ踵を返した。
「用事は終わりだ。“
声をかけると、神々廻はこちらにまで睨みつけるような視線を向けてくる。
「……ッ」
だが、コードネームで呼ばれたことと、『次』という言葉に、なんとか自分の仕事を思い出したのだろう。扇を一振りし、再び姿を大人の女性へと一変させると、大股で応接間を出て行った。
もう一度、今度はひっそりため息をついて、神々廻の後に続いた。
◇ ◆ ◇
早足で敷地を出、駅の方へと戻る道まで来たところで、神々廻が足を止めてぐるりとこちらを振り返った。眉を吊り上げこちらを睨む彼女の表情は、ストレートにこちらへの不満を伝えてくる。
「言いたいことは……」
「結局空振りではないか! 危険を冒して侮辱されただけじゃ!」
「……分かっている」
「というか! 取引が失敗したのに資料を連中に渡すでない! 何を考えておるんじゃ!」
言葉を継ぐ土方に詰め寄ると、神々廻は扇をびしりとこちらに突き付けた。土方は両手を軽く挙げて降参のポーズを取り、
「頼むから、支部長みたいに打ちすえてくれるなよ。
さっき言った通りだ。重要なのはデータが揃うこと、一連の事件の原因を突き止めること。突き止めるのは別に俺たちじゃなくてもいい」
それは、土方に資料を渡し、やり方を任せたルネも承知していることのはずだ。
「あ奴らに解決させるというのか!? あんな排斥論者どもに!」
だが、神々廻には、到底納得できないことのようだった。ますます口調を強め、土方ににじり寄ってくる。
「少なくとも、奴らは明確に今回のことを事件と認識している。こちらよりも有意なデータを持っているはずだ」
「じゃ、じゃが! 防衛隊の一部が暴走し、実験で
扇を握りしめ、神々廻はますます言い募った。人通りが少ないとは言え、ここが往来ということも頭から抜けているようだ。
土方は今日何度目かのため息をついて、首を振る。
「信用ってなら、こっちの方が分が悪いだろう。何せ、支部長がFHに裏切ったばかりなんだ」
「それはっ……!」
言葉に詰まる神々廻を、土方はじろりと見返した。…集中すると、幻影ではない本来の神々廻の姿がうっすらと見えてくる。着物の少女はこちらを見上げて未だ険しい表情でいるが、幻よりも幾分動揺の色が濃い。
「――いいか。連中は、こっちの支部そのものを疑っている。支部長に次いで裏切る奴が出るかも知れない、その前段階として、今回の事件を起こしているかも知れないと。
こっちが、奴らに潔白を証明してみせる立場なんだ」
「……っ……それ、は……」
急に、神々廻の声が弱々いものになった。音もなく扇が広げられ、少女の顔を隠す。
「……それは、そう、それはそうかも知れんが……」
なおもぼそぼそと紡がれる声を聞いて、土方はぎょっとする。神々廻の声は震えていた。
「じゃが、じゃが……」
意味のない言葉をもらしながら、何度もしゃくりあげる。
「お、おい、おいおいっ、泣くことはないだろう」
さすがに泡を食って、土方は神々廻の肩に手をかけた。神々廻の身体がびくりと震え、小さな手のひらが顔を覆う。
「だいたい、あんた、俺よりずっと年上なんだろうが……」
「だ、大事ない」
慌てて片手で懐のハンカチを探す土方に、神々廻は相変わらずの涙声で言った。
「わ、わしの身体は成長を止め、童のまま、感情の波や昂りも、図体のでかい連中、よりは、激しいままじゃ。
か、か、勝手に泣いておるだけじゃから、気にせずともよい」
「……要するに、子供を泣かせたのと同じってことだろうが」
ようやく引きずり出したハンカチを、屈みこんで神々廻の顔に押し付ける。神々廻は覚束ない手つきでハンカチを受け取って、目許を押さえた。息を整えるように、何度か肩が動く。
「……」
しばらくして、落ち着いたのかひとつ大きな息を吐いて、神々廻はハンカチを持つ手を下ろした。赤い目許を隠すように扇を広げ、
「…………この手拭、親父臭いのう」
「言うな」
返せとばかりに手を出すが、少女はそれを無視してハンカチを仕舞い込む。
「悪かった。細君のおる男に、妙な気を使わせてしもうたな」
「……何だって?」
神々廻は気を取り直したように笑ってみせると、こちらの左手を扇で示してみせた。
「薬指に指輪の痕がついておる。仕事ゆえ、外してきたのじゃろう? わしとてそれぐらいの観察力はあるぞ」
「…………」
「どうした」
「…………妻とはもう別れた」
あからさまに気まずそうな顔をして、神々廻は土方から目を逸らした。土方は鞄を小脇に抱え直すと、左手に目を向ける。薬指には、確かに白く痕が残っていた。
「妻も子も普通の人間だ。仕事のことをまるで話さず家にも寄りつかないんじゃ、愛想を尽かされるのは当たり前だろうさ」
「…………いや、その、すまんかった」
しかも子持ちとは、ともごもごと付け加える。
「お互い様だ。あんたの支部を侮辱した」
神々廻は扇を広げると、嘆息した。
「いいや、確かに、疑いをかけられても仕方のないことじゃ、“
“
「それに……」
「それに?」
土方の問いに、神々廻は首を横に振り――
唐突に、世界の色彩が反転したような感覚が駆け抜けた。
慌てて周囲に目を向けると、遠くで人がへたり込み、脱力しているのが見える。
……《ワーディング》。しかも、この日二回目の。
「!」
反応したのは、神々廻の方が早かった。
緋色の光がかりそめの姿を包み込むのとほとんど同時、こちらを向いたまま、背後に向かって急激に加速する。
「――おぬしは! 後からゆるりと来るがよい!」
そう叫ぶ頃には既に方向転換を済ませ、光に包まれた少女の姿はほとんど見えなくなっていた。
もちろん、土方は彼女に追いつくすべを持たない。最速のシンドローム、などと呼ばれるハヌマーンシンドロームだが、それはそういう類の
「……やれやれ、また走るのか」
土方は鞄を抱え直しつつも嘆息し、《ワーディング》の方へ向って走り出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます