第143話 吾輩『夢の国ハザード』に巻き込まれる

吾輩は目を覚ました。こうもりが話しかけてくる。

「旦那、お目覚めですか?」

「・・・眠ったばっかなような・・・まぁ、いいか」

「では、お願いします」


吾輩は考える。

夢の国のモンスターたちについて。

あれは・・・きぐ・・・。

なんだ?誰か来たな・・・。


「旦那、屋敷に誰か入ってきましたね・・・」

「緑の防壁があるのに・・・というか。泥棒か?」

「この家、盗むものないんですけどね」

「なんか・・・甲高い声が聞こえるな」


下からハハハハ♪という甲高い声が聞こえる・・・。

なんだろう?ドラッグでもやってんのか?

危ないぞ・・・。違法なにおいがする。


吾輩は下の階に様子を見に行く。声が段々近づいてくる。

「ハハハハ♪」

「耳障りな声だな・・・セバスチャン」

「どこかで聞いたことありますけどね・・・」

「どこだっけ?」


段々声の主が近づいて来る。他にも色々声が聞こえてくる。

「グルウウウ」

「うん?なんだ、セバスチャン・・・低い声もするぞ」

「グワグワ」

「旦那・・・色々声を出す奴がいるみたいですね」

「声が遅れて聞こえてこないな・・・一刻堂ではないな」

「アレ?と言ってませんしね」

「なっ!!」


吾輩の前に、黒い奴と白い奴と茶色の犬が現れる。

黒い奴がしゃべりはじめる。

「ハハハハ♪禁忌を破ったね♪お仕置きが必要だよ♪ハハハハ♪」

「こ、こいつは!?」


思わず、吾輩の口から単語が飛び出す。

「み、み、ミッチーマウス!!それにドナクソも!!おまけに犬まで!!」

「旦那、あれは、グッピーです!!」

「チャッピーだったらな・・・ウンババネタが使えたのに」

「手になんか持ってますぜ!!旦那!!」


黒い奴がタクトみたいなのを振る。

「おわっ!!」吾輩

「きゃーー!!」セバスチャン


タクトから火の塊がでる。幸い吾輩たちには命中しなかった。

「せ、セバスチャン!!放火魔や!!メラッサしてきてるーー!!」

「魔法使い設定がありますからね!!あのネズミ!!」

「スーファミでは、消防士もやってたぞ!!人の家、放火しちゃだめだろうーーー!!」


慌てて逃げる吾輩たち。ネズミの甲高い声が屋敷に響く。

「みんな、やっちゃえ♪アハハハ♪」


屋敷内を逃げ回る吾輩とセバスチャン。逃げながら話す。

「セバスチャン!!どうして、刺客が送り込まれた!?」

「旦那が・・・禁忌を破ったからですよーーー!!あれは書いちゃいけないことですーーー!!」

「嘘――――!!」


部屋に入り呼吸を整える吾輩。

「はぁ、はぁ、どうする?セバスチャン・・・」

「旦那・・・やらなきゃやられますよ」

「そうだな・・・」

「血吸ってパワーアップとかしないんすか?」

「できるか!!そんなこと!!人間だっつの!!」


部屋に犬が飛びこんでくる。

「グルウウウ」

「おら!!」

「旦那、さすがです」


吾輩の膝蹴り&肘鉄でサンドイッチして、犬の息の根をとめる。

「通信教育で受けた・・・CQCが役に立ったな・・・」

「まだ、犬一匹です、旦那」

「薬で強化されているっぽいな。反撃開始だ」


部屋から出て辺りを見渡す。白い奴がヨチヨチ歩いている。

「グワグワ」

「・・・」

「旦那、やってください」

「死ね!!おら―――!!」


白い奴の首をあらぬ方向に曲げる。

「大したことないな・・・こいつら・・・」

「旦那、強くなりすぎましたかね・・・」

「あとは、ねずみ一匹大したことない」

「夢の国に返してやりましょう・・・天国という夢の国へ」

「それは違うな、セバスチャン・・・地獄への片道切符だ♪」


そして、吾輩は攻勢にでて、黒いネズミを探す。

あのくそ野郎・・・屋敷が燃えたらどうしてくれるんだ?

ぜってぇブッコロス!!

「旦那、顔が怖いですぜ・・・」


黒い奴と対面する。

「ハハハ♪二人を倒すなんて、なかなかやるね♪」

「次は貴様の番だ」

「いけいけ♪旦那♪」

「ハハハ♪そう、簡単にいくかな?」


次の瞬間、ネズミが吾輩の前から消える・・・。そして、後ろから声が聞こえる。

「ハハハ♪その程度」

「なっ!!」


吾輩は直観する。こいつとこいつとだけは、戦ってはいけない。やばい。

心の底からそう告げられている。本能が語り掛ける。

こいつに殺される・・・。


吾輩は急いで走って逃げる・・・。

後ろから甲高い声が追ってくる。

「ハハハ♪鬼ごっこの開始だよ♪」

「やばい・・・やばい・・・セバスチャン」

「大広間に逃げましょう!!」


広い部屋へ逃げる。部屋に入って扉を閉めた。

「これで・・・なっ!!」


部屋の中にもうすでに黒いネズミがいた。お茶を飲んでくつろいでる。

「ハハハ♪やっぱ、日本はグリーンティだよね♪」

「シット!!」

「旦那!!」


部屋の中を飛び跳ねる、黒いネズミ。黒い線が部屋の四方八方に広がる。声だけしか聞こえない。

「ハハハ♪いくよ~♪」

「だめだ!!目でとらえきれないーーーー!!」

「だんなーーー!!」


恐怖だ・・・これは間違いなく死の恐怖・・・。黒い悪魔が・・・。

あぁ・・・吾輩の命もここまでか・・・。

1000話までつづけるつもりだったのに・・・。

こんなところで終わりか・・・。あぁ・・・みのたろうは完成せず終わる。

ちくしょーー!!


次の瞬間、黒いネズミが吾輩の前に姿を現した。手に何かを握っている。

「せ、セバスチャン」

「旦那・・・ドジふんじまいました」

「アハハハ♪まずはこれから」


黒いネズミの手の中で、何かが砕ける音がした。

「・・・おい、ネズミやろう」

「ハハハ♪このしつこいくたばりぞこないめ・・・いいだろう!!!こんどはこっぱみじんにしてやる。あのコウモリのように!!!!」

「それは、セバスチャンのことかーーーーーーーーーー!!」

「なっ!!」


吾輩の中で何かが切れる音がした。

黒いネズミ・・・貴様は許さん!!


「な、なんだ!!その金色の髪は!!」

「俺は貴様を殺すために地球からやってきた、バンパイア。穏やかな心を持ちながら、激しい怒りによって目覚めた伝説の戦士・・・」

「スーパーバンパイア、アインツだーーーー!!!!」

「ば、ばかな・・・!!」


吾輩の戦闘力は53万を軽く越した。

「ハハハ♪こけおどし!!」

「やってみろ・・・お前の死は確定している!!」


ネズミが先ほど同様、部屋の中を四方八方動く。

「ハハハ♪見切れるはずないよ♪僕は最強だからね♪」

「御託はいい・・・とっとと、かかってこい」


ネズミが吾輩に襲い掛かる。

「終わりだよーーー‼ハハハ♪」

「フン!!」


ネズミの動きに合わせて顔面に一撃を撃ち込む、吾輩。

「どうした?もう、終わりか・・・」

「・・・そんな・・・ば、ばか。僕は最強なんだーーーー!!」

「ミッチー・・・ひとつだけ教えてやる。」

「てめーの敗因は…たったひとつだぜ……ミッチ―…たったひとつの単純な答えだ………てめーはおれを怒らせた!!」

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!」


吾輩の両こぶしがミッチ―に炸裂する。ミッチ―がふっとぶ。

セバスチャン・・・仇はとったぜ。安らかに・・・。


≪つづく?≫

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