第3話 吾輩は十字架を愛している
吾輩は屋敷に着いた。
屋敷の外観としては古びた2階建ての洋館である。
ただ、防壁システムがある。
『緑の防壁』と吾輩は呼んでいる。それは何十重にも緑が絡みつき、四方八方を塞ぐ。屋敷を緑で覆っている。
そう。
蔦の葉の防壁。
屋敷の中に入る。電気はつけない。
吾輩エコである。無駄な電力など使わせない。
2階に吾輩の部屋がある。部屋に移動する。
蝙蝠が話しかけてくる。
「旦那、今日も仕事ですか?」
「当たり前だ!!仕事の資料を集めねばならん!!」
吾輩はパソコンを付ける。情報を集める。
ついつい、政治のニュースを見てしまう。
政治というものは不思議だ。
以外と貧乏人の方が政治に詳しかったりする。おそらく、世の中を恨んでいる奴ほど、政治が好きなのだろう。現在の世界に満足していない。だからこそ、問題を見つけようとやっきになるのだろう。だが、吾輩は違う。
吾輩は日本に住んでいるが、日本国民ではない。戸籍がない。
日本人ではなく世界人なのである。世界の平和のために、政治を勉強している。思想が違いすぎる。吾輩が政治をやればよりよい世界を築けるだろう。
金や権力がないから、正しい判断ができる。
吾輩は貧乏である。金はほぼない。ガス・水道は止まっている。
ガスは料理をしないから止まってもいい。水道は重要だ。
人間水がなくては生きてけない。
ただ、吾輩は『無限の泉』を発見した。無限に水が出てくる。
屋敷から徒歩10分くらいである。
銀色の金属をひねると無限に水が出てくる。緑もいっぱいのいいところだ。
水はその『無限の泉』で確保する。
蝙蝠が話しかけてくる。
「旦那・・・仕事は?」
「いま・・・からだ・・・」
吾輩は仕事に戻る。資料を集める。
吾輩の仕事は物書きである。物語を書いている。
最近、最弱の主人公というのが、流行っている。ただ、疑問を呈す。
大体序盤で、1勝を挙げる。下手すると序列10位とかのやつにいきなり勝つ。
これはその時点で最弱ではない・・・。1勝上げた時点でケツから2位である。
多少努力的なものを見せるが謎である。えっ・・・最弱が最強に勝っちゃうの?
そいつは多分最強ではないだろうか?どうなのだろう。
さらに、必殺技というものある。必ず殺していない・・・。
滅殺というのもある。滅していない・・・。しまいには仲間になったりする。存在そのものが生き残っている。何故だ・・・・?
勝負技ぐらいに抑えた方がいいと吾輩は思う。
最後に、勝利を約束された剣とかいて、エクスカリ○ーというものがある。ただ、おかしい。そいつ過去に敗れてるぞ・・・。人生の最後・・・それで後悔していたろう・・・。
吾輩なら、大事なところで勝利の約束を破る剣と書いてるかもしれない。謎である。
○はパかもしれないボかもしれない。
吾輩と言い出したのは、夏目漱作の影響である。
吾輩犬である。
名前はまだない。
吾輩も物語のその先は知らない。
そんなことを考えてたら、蝙蝠が話しかけてくる。
「旦那・・・手が止まってますぜ・・・」
「思考を動かしている最中だ・・・・」
「今日はどちらで寝るんですか?棺ですか?」
吾輩の家には棺がある。
だが、・・・・
大嫌いである。何故、あんな狭いところで寝なきゃいかんの?
誰だ、これ考えたやつ?閉所恐怖症による精神的苦痛の慰謝料をいただきたい!!
普通にベットで寝るわ!!吾輩は憤りを覚える。
「決まってるだろう!!ベットだ!!」
「ですよね~」
寝る前に、吾輩はお祈りをささげる十字架に。
今日も一日ありがとうございます、神様と。
どこぞのやつが、バンパイアは十字架を恐れると言っているが大間違いだ!!
十字架を愛してる。おそらく、十字架の後ろに太陽があって、ビビったのを勘違いしたのだろう。普通にビビるわ!!全身火傷するんだから!!
もしくは、教会だ。教会の十字架の後ろにステンドグラスがある。そこから日の光が入ってきたんだ!!ビビるわ、死ぬかもしれないんだぞ!!
エクソシストというのがそれを信じている。ほんとに困ったやつらだ。
えっ?クソ?のナルシストとでも書いておこう。人間を殺そうとする、殺人教徒である。
吾輩は人間だ!!
吾輩はベットに眠りにつく。
≪つづく≫
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