異世界転移したけどい行の文字(い、き、し、ち、に、ひ、み、り)がひとつもない

 ある男、山田太郎。彼はトラックとぶつかる。

 苦痛。体がなくなる。頭がボロボロ。爪が剥がれる。目が外れる。喉がスパスパ。タマタマぶっとぶ。

 頭がクラクラする。なんだよ、これは。どこだよ、ここは。

「ここは、別の世です」

 柔らかな声がする。女が出てくる。その姿はまるでゴッドレスだ。服装はドレスである。豪華なドレスだ。

「別の世とは?」

「あなたは、亡くなったのです」

「では、ここはヘブン? ヘル?」

「ノー。別の世は別の世。ヘブンやヘルとは別物」

「では、俺はどうすれば?」

「技をあげます。あなたはそれで無双するのです。猛烈なパワーです。細かくコントロールせよ」

「サンクス。では、新たな活動をスタートだ」

 このように山田は別の世へと現る。そこは戦争のさなかである。オークとマンの戦争。マンは負けそうだ。

「助けるぜ!」

 技が炸裂する。閃光。オークが燃える。ボウボウ燃える。技は炎の魔法だった。

「あんがと、お金あげる」

 山田は金をたくさん貰う。

「買うものはなんだ?」

 山田はウェポン、フード、服を買う。そこに売られてたのはエルフだ。とても苦痛があるだろう。顔がゆがんでる。うぅーん、うぅーんと唸ってる。お腹が下るのか? 苦悶の顔。 

「ヘルプ! ヘルプ! 僕は殿下です」

 エルフは叫ぶ。なるほど、殿下風な顔だ。ノーブルなムード。

「そうか、あのエルフを救おう。金はここだ!」山田は叫ぶ。

 エルフは放たれる。

「僕の名はガーウ。とてもあんがと」

「当然さ。困った者は助ける。これが俺の家訓だ。さあ、帰ろう」

「僕のホームはオークが司る。帰るホームはゼロ。あなたと同行することを決断。頼む」

「では、ホームを奪還だ! ここで決断をする。さあ、レッツ・ゴー!」

 それから、二十日(はつか)間、山田とガーウは、遠足だ。オークのランドへ遠足だ。らんらんらんらーん! 

「まて!」

 モンスターだ。悪魔の軍団である。だが、技さえあればパーフェクト。悪魔が燃える。ボウボウ燃える。

「とてもグッド、山田あんたパーフェクトだよ」

 ガーウが褒める。とても褒める。

「ははははは」山田は破顔する。

 オークのランドへとやって来る。荒れたグラウンド。弾圧の横行。スレーブ化されたエルフ。

「おまえは殺す!」オークの王だ。背がどでか。タワーほどだ。

「おまえを罰する!」確固たる山田の決断。

 山田の炎。王は倒れず。殴る。蹴る。頭突くのアタック。山田はヘロヘロ、ボロボロだ。

「ぐわー!」ガーウの声。

 ガーウがエスオーエス。囚われ、脅される。

「この女がどうなってもオッケー?」

「くっ、姑息だ!」

 むかっ腹、それは、技をでかくする。炎が暴走。すべてを焼く。ボウボウ焼く。別の世を焼く。

 そして、この世まで焼く。破滅。

 

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