第11話たからもの
「ただいまー。」
「おかえり!我が妹達よ~」
家に入った瞬間に蓮に抱き締められそうだから鈴は男の弱点である股間を蹴った。蓮は臨時に危険を感じて避けた。鈴は軽く舌打ちをした。
「鈴よ。お兄ちゃんを女にするつもりかい。」
「去勢したら、大人しくなるかなって思ってさ」
蓮は俺は犬か!と泣いていたら蘭にうるさいと叩かれていた。鈴はその光景をみながら私服に着替えるために自部屋に入っていた。そしたら、薫がベットで寝ていた。鈴は薫の背中に荷物を憎しみを込めながら置いた。そしたらうぐっと鈍い声が上がった。鈴は満足げに制服を脱ぎ出した。薫はベットから起き上がり鈴に抱きついた。鈴の今の格好は上半身下着だけだ、鈴はまたかと思い軽く薫の頭を撫でた。烏は嫌な事があるとこうして飼い猫に甘えてくる。この空間に言葉なんかいらない。それは彼女達の絆の差だ。
鈴はもう大丈夫かなと思い、薫から離れようとするときれいな手が鈴の顔を撫でた。そして徐々に首辺りに伝った。自然と鈴は薫の顔を見た薫は愛しそうに鈴を見ている。そして唇が重なろうとしてたら、鈴が薫のデコにでこピンをした。
「いてー、何するんだよ~」
「薫こそ何キスしようとしてるんですか?」「そんな雰囲気だったから、」
鈴はアホかと一括して薫から離れた。薫は顔を膨らませていたけど、知らん顔をしながら着替えた。鈴は眼帯を外した。その目は瞼に切り傷があり回りには少し赤くなっている。薫はその傷を舐めた。そして首にある引っ掻き傷も舐めていた。その光景はまるでなにかを消毒しているようだった。
そんな事が終わり、鈴と薫は下に向かった。下では蘭と蓮が夕飯の用意をしていた。鈴はその暖かい空間に再び思うのであった。
この空間を守らないと。
飼い猫は神様に願いました。私にどんな事をしてもいい。けど、あなたが私のたからものを傷つけたら私はあなたを恨みます。神は問う、ではお前のたからものはなんだ?
飼い猫は答える。
それは・・・。
神は笑う。なんだそんなちっぽけな物か。
飼い猫は微笑む。確かに貴方にはちっぽけかも知れないけど、私にとっては大事な大事なものよ。
その飼い猫の微笑みはとても優しく暖かい微笑みだった。
神は嘲笑う。だか、お前のような泣き虫には守れるか?
飼い猫はまた微笑む。無理よ。だからね。
こうするの。
飼い猫は笑顔の仮面を被り神様が使う呪い玉に語りかけた。その仮面を取れないようにと。神は驚いた。
飼い猫は嘲笑った。これで取れないし、あなたの評価が落ちたわね。
神は問う。お前はそこまでして私を嫌うか。
飼い猫は笑った。当たり前でしょう。絶対に貴方を好きにならない。それぐらい貴方が私にやったことは重罪よ。
そう、貴方が私の父でもね。
飼い猫は神にそう言った。その時の飼い猫の瞳は暗い黒い憎しみが籠った色をしていた。
哀れな飼い猫。
お前はどうして欺く。
「もう、悲しませたくないからだよ。」
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