第8話 あたたかい
あれから数ヵ月が過ぎていた。特に無かったって言ったら嘘になるけどただの日常が過ぎていった。
眠い。その一言につきる。鈴はアクビをしながら学校へ向かっている。途中である人物に似ている、いやあれは恵だ。鈴は考えて裏道から行く事にした。裏道は好きだ、自然が多くて風が気持ちいい。みんな可笑しいとか危険とかいってるけど人の生活がみえいて楽しくなる。小さな公園がある、鈴はその公園のベンチに座ってスケッチブックを出した。そして服のデザインを書き出した。学校では普通科目と芸術科目がある。芸術科目では4コースある。鈴はそのなかでファッションコースを選択している。まぁこれは趣味なんだけどと思いながら書いている。そしたら、前の女性達の会話が耳に入った。
「ねぇあの子かっこよくない?」
「えーけど、女かも。けどさ、」
「「かっこいいー!」」
鈴はふと隣のベンチをみると、葵がいた。鈴はあまりにも回りを寄せ付けない雰囲気に胸が潰されそうになった。その前に何故葵がいるの?確かにテストの前だけどまだ先の話。何故?鈴は考えを巡らしても答えが出ないのであきらめて、ベンチを立った。そして学校に向かった。右目を押さえながら。
ジー、
鈴は黒板で席を確認しているんだけど、見えない。やっぱり片目だけだと視力が落ちてるなー。そんな事を考えながら必死に見ている。そしたら、肩を叩かれた。鈴はびっくりして隣を見たら彩と彼氏(朱)がいた。
「おはようー!あれ?鈴ちゃん右目・・。
中二病?」
そう。鈴は今右目に眼帯を巻いている。中二病という言葉に鈴は目を押さえて。
「ぐっ!封印がって違いますよ!」
「アハハwそうだよねー、あっ席は私の前だよ。」
「ありがとうございます。」
彩は鈴と一緒に席に移動した。彩は右目の事をあまり聞いてこなかった。鈴はありがたいと思った。さて黒板はどうしようかな。後ろに行っちゃったけど、そしたら葵が隣に座ってきた。鈴は条件反射で顔を伏せた。葵は不信に思い話しかけてきた。鈴は寝た振りをしたけど無駄だった。
顔を上げたら葵が驚いて。
「中二病?」
「違いますよ。」
「鈴ちゃん即答www」
葵は笑いながらそっかーって笑った。鈴はため息をして普通に話せたことが嬉しかった。それから、葵が中二病になってないか問いだして来た。鈴は冷たい目で違うと答えた。そしたらリナちゃんが
「けど、鈴ちゃん大丈夫?」
「リナちゃーん」
人間扱いしてくれることで涙がでてくる。リナはケラケラ笑いながら鈴の頭を撫でた、鈴は顔が真っ赤になり顔を伏せた。
「鈴ちゃん照れたー。」
リナはニコニコしながら鈴をからかった。鈴は違うといいながら顔を赤くさせる。彩もそのいたずらに乗り、頭を撫でている。
飼い猫は慰めてはいるけど、基本慰められたことがない。それは、涙を見せたことがないからだ。だから、撫でられたことは新鮮で嬉しかった。ほのかに微笑みながら顔を伏せた。そして、手から伝わる温もりを愛おしいと思った。
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