第6話 星空
「みなさんお疲れ様でした。明日はとうとうお別れです。最後に楽しい思い出をつくりましょう。
それでは、かんぱーい!」
校長の音頭でパーティーが始まった。みんな仲良いグループで食べている。鈴は葵とリナに挟まれて、前には秋と恵がいる。お肉を鈴は取り分けながら秋と話していた。時々葵とリナが話に入り、鈴は笑いながら食べていると、鈴の携帯が鳴った。画面を見たら、母親からだったので鈴は滅多に電話をしてこないから、不振に思い、外に出て、ベランダから電話をかけた。
プルルル、プルルル、ガチャ
「もしもし?お母さん?」
「すーちゃん?今大丈夫なの?」
お母さんの声が落ち着いている。あの人の事じゃないんだと思い安堵した。
「どうしたの?滅多にかけないのに。」
「すーちゃんごめんなさい。来週からお仕事が忙しくて家にかえられないから、」
鈴はいつものかと思い、仮面を被った。
「了解!大丈夫だよ!家の事はやっとくから。」
「ごめんね。すーちゃん。」
鈴は忙しいから、と断って電話を切った。
空を見上げたら、星が綺麗だった。きらきら輝いていて、鈴はため息をついた。
今から行ってもどうせ、私の居場所はないから此所で終わるまで待ってようかな。鈴はつい口挟んだ。
「twinkle.twinkle.little.star」
「それの歌詞の意味って何なの?」
鈴はびっくりして、飛び上がった。後ろを振り向けば葵がいた。葵は手には、紙コップを持っていた。そのコップを鈴に持っていった。少し鈴は迷ったけど受け取った。中身はサイダーだった。葵はそれを満足げに見て。鈴の隣に腰かけた。そして、空を見上げた。
「こーんな綺麗な空を見たら、ため息なんかしないよ。」
「それは人それぞれですよ。現に私がしました。」
そして、鈴は葵の方を向いたら壮大に吹き出した。葵が変顔をしていたからだ。
「アハハハwwwwww」
「うん、やっぱりそっちの笑顔の方が好きだな。」
その一言で鈴は固まった。葵は鈴と向き合いこう言った。
「鈴って何で笑わないの?」
鈴が息を呑んで目を逸らした。そして、"笑った"。
「何言ってるんですか?面白いことがあったら笑いますよ。」
「うん。けど何かよそよそしいよね。」
飼い猫は何故という疑問に包まれている。そこ間でして私に興味を持つことは何?哀れむ心?それともただの暇つぶし。
だったらほおっておいて、知ったって意味がない。ただただ私が自分でやってること何だから。
「自分を「日向さんには関係ありませんよね?」っそうだけど。」
「だったら気にしないでください。」
鈴が顔を背けて帰ろうとしたときに、おもいっきり腕を捕まられた。
野良犬は自分でも驚いている。何故ただの飼い猫にこんなに必死な自分がいることを。そして、まだわからない。
飼い猫が自分にキスをしたことを。
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