第3話 傷み

何にもない廊下を鈴は歩いている。そこは学校の裏校舎だ。鈴は何も考えずに歩いている。端にある、扉をあけた。

そこは本があり、ソファーがあった。鈴はソファーに座り窓を開けた。そして、音楽プレーヤーを再生した。鈴は音楽を聞きながら、お昼を食べた。食べ終わり、目を閉じた。

嫌なことから逃げるように。


クライクライヤミノナカ。ダレカガワラウ。オモエノカラダハ


アカイエノグデ、ヨゴレテル


ダカラワタシハ


「~♪」


ヒカリガミエル。ダァレ?ワタシノヒカリハ


そこで鈴は目を開けた。そこには葵が隣で歌ってた。鈴の時が止まり、葵をみていた。あまりにも綺麗で息を飲み込んだ。葵は鈴が起きた事に気ずいた。


「おっ、おはよう~」

「おはようございます。じゃなくて!なんで日向さんがいるんですか。」


鈴は葵に質問をした。葵はケラケラ笑いながら、後を着いてきたと答えた。鈴はその答えを、聞いて呆れた。そして、腕時計をふと見たらお昼休憩の時間が後もう少しで過ぎるのにきずいた。

「お昼の時間すぎちゃいますよ!」

「えーさぼっちゃえば。」

「駄目ですよ!ほら!行きますよ‼」


鈴は窓を閉めて、葵と一緒に教室に向かってる。鈴は外の風景を眺めながら、葵が鈴に質問をした。

「鈴はいつも一人だよなー。」

鈴はその言葉にあぁ、この人もかと思った。

誰もが一人を哀れこんで、同情をする。鈴はその現状を何回も経験している。そして、からかいの玩具にされる。だから、仮面を作って友達を作るけどなかなかうまくいかない。鈴は、もう友達を作っても意味ないと思ってる。一人という言葉は鈴にとって心地良い言葉だ。

葵は、気ずいて急いで修正をした。

「あっ!ゴメン。」

「いえ、大丈夫ですよ。」

鈴は微笑み葵の顔を見た。

そして、教室に戻った。そしたら、ちょうどリナ達が帰る所だった。鈴は会釈して席に着いて、また音楽を聞いた。葵は何か言いたそうだったけどあきらめた。


暗い暗い水の中に入るのは、私だけでいい。だれかを巻き込まないように仮面を被るだけ。ただそれだけなのに。

貴方のことが愛しい溢れてしまう。もっと欺かないと、ばれてしまう。

飼い猫はそんな事を思いながら、外を眺めていた。



「これで、授業を終わりにします。」

めんどくさい授業が終わり、帰る準備をする。鈴達は学校の寮で3日間を過ごすのだ。

鈴は、カバンに教科書を詰めてバスに乗った。

一番最後の窓側に座った。そして、音楽を聴こうとしたら、葵が隣に座りイヤホンを取った。鈴は思考が止まり、顔が徐々に赤くなっていく。

葵はそれをみて笑い、話し掛けた。

「俺も此処にすわっていい?」

「えっ、あ、はっはい。」

「どんだけ、動揺してるんだよww」


そのあといろいろ鈴は質問攻めされている。鈴は葵に気持ちが伝わらないか、ヒヤヒヤしている。バスが寮に着き、葵と別れ。自分の部屋に向かおうとしたら後ろから嫌な声が聞こえた。

「鈴~!」

「あっ恵・・・何?」

恵は鈴に笑いかけて、嘲笑った。

「あのさー、葵と仲良いじゃん?勘違いしないように言っとくけど、葵は鈴と話しかけてるだけだから。」

鈴はそんなこと当たり前だと思いながら、無視して部屋に入った。恵はドアの前で何か言ってるけど鈴は部屋についているベットにダイブをした。


あーうざいうざいうざいうざいうざいうざい自分が黒くなる、汚れた気持ちが渦巻く。何故か肩が痒い。

かゆくてかゆくてかゆくてかゆくてかゆくて痛い。このいたみはなに?







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る