世界の中心について
僕の名前はロロ。後は以下略さ。
この街には中心があるんだ。中心って言っても二メートルくらいの穴。そこは火葬場でもあって、この街で死んだ奴はそこで燃やされてそこが墓になる。穴に人間を入れたら特性の鉄扉で蓋をしてその上で焼肉するのがこの街の習わし。思い出話を出来るくらいに有名だったら人が適度に集まってきて宴会が始まるけど、よそ者だったり新参者だったりすると、この街唯一の葬儀社の連中が事務的に焼いて適当に書類で処理したらおしまい。とってもドライだけどそれがこの街の流儀なんだ。仕方ないよね。そういうもんだ。そういう感じで、僕達だって肉を食うだろ? 僕達は獣の死肉を製造してそれを機会で捌いた物を食べてるだろ。そういったもんだ。
何もかも同じようなもんさ。
こういうのが不謹慎だって言ってる奴はきっとこの街には合わないから出て行った方が身の為さ。この街には外の法令が準拠されない世界が広がり過ぎててかなり怖い事になってるからね。大抵のフィクションの足腰がガタガタ震えてどうしようもなくガタガタに見えるくらいのリアリティしかないんだから。
でも、きっとここにあるリアルっていうのはありえないからきっと、多分何よりもフィクションに見えちゃうんだろうな。人間の常識っていうのは思ったよりも法律が反映してんだなって良く考えると本当にそう思うよ。
という訳で実査にやってきたここが通称世界の穴。そこまで深くないだろ?
一回焼く事に中は葬儀社の連中が綺麗に掃除するから。焦げ跡ぐらいしか殆ど残ってなくて、この街で一番多分いつも綺麗な所だと思う。この穴の底は開閉式になってて、実はそこに遺灰が収容されるようになってる。そのまま播いてもいいんだけど、そこに住んでる奴がいてさ。そこでしかも地下植物を耕してる奴がいるから、葬儀社の奴らが金もらう代わりに袋に綺麗に遺灰を詰めて下の奴に渡してる。
そこで作ってる地下ごぼうとかは結構美味いよ。この街のちょっとした名物さ。時間があったら案内してやるから待ってて。何も紹介がないやつが忍び込むと、強盗と間違われて大概殺される事になるから、ホント、好奇心で行かないように。これはフラグのつもりで言ってる訳じゃないんだぜ。
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