二重顎とか、地下とかについて
こんにちは。僕はこの街日谷のしがない半能案内人、ロロさ。
さて、この街は知っての通りどこかの漫画に出てくるみたいな大きな一枚の壁にぐるっと囲まれたそこそこ大きな街だよ。この街の構造は至って簡単。中央にあるのは世界の穴。でもって穴を中心に火葬場且つ墓畑且つ広場から広がるもう一つの山が街にあるよ。そう、街の中にもう一つ円状のカルデラが形成されてるんだよね。二十のカルデラ。
それはともかくとして、だからこの街の高低差っていうのは結構あって、以外と住みにくい。え? この穴に来るまでにそんなの分かったって? だろうね。だから今僕の説明が身に沁みているんだろうさ。それはともかくとして、でもさぁ、この街の住人だったらそこらへん上手いこと掘削してどうにか真っ平らにしそうって思うだろ? でも、それはさすがにコストがかかりすぎるだよな。ってな訳で、最初にここに人が住み着いた100年前の街長とその取り巻き共が
「だったらここさ、くり抜いて家にしちまえ」
「んだったら、横一円に穴ブチ明けて輪っかつくっちまうべ。その方がアクセスも楽ばい」
「せやな」
みたいな感じの会話で、二番目のカルデラの中を綺麗に掘削して、そこに家を作っちゃんだんだ。しかも個々に、横穴状にくり抜いたカルデラを同心円状の輪みたいに
また掘って連結させちゃった訳。だから世界の穴の墓畑の底には大きな地下都市と、そこにアクセスする。横穴から伸びたスロープとか電車みたいなのが走ってる。
つー訳で地上っていうのは、まぁあんまり人が住んでない。っても人間はたくましいし、この街には余ってる土地なんかないから、上の方は坂にそって整地しちゃったり、適当に彫刻して、火山岩の地下宮殿くり抜いた物好きもいるけどね。あはははは。今度会わせてあげるよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます