減らず口の王国
うえ
静ちゃんは(めんどいのでしずちゃんにします。可愛いねしずちゃん)は減らず口の王国のお妃になっていました。勿論国王の既成事実なんてものはありません。腕力とか暴力、名前しかしりませんが天下一武道会だとか、そういった野蛮な行為や働きによって王位を勝ち取ったのでもなく、苛烈な後宮争いの中で、激しい男女のもつれや権力闘争に買った訳でもなく、たまたま散歩していたら異世界に舞い降りてその純真さや美貌や、愛嬌の良さから妾として宮殿に迎え入れられた訳でもなく、じゃぁなんだって? そりゃああんた決まっとるばい。 ―精神操作だよ。
アズヲルトン君は路頭に迷っていました。異世界にこんな装備で来て全然大丈夫じゃなかったのです。みぐるみはがされてパンイチ。魔法も使えません。何も使えません。口は開きます。出てくるのは詭弁。それも減らず口レベルの詭弁です。大した知識もないのに弁が微妙に立つからと創設魔もないディペート部のピンチヒッターとして地区の大事な予選に出場して惨敗する程度のちからです。その出来事はアズヲルトン君の青春時代にくらい影を落としているのです。今も正直引きずっています。そんなアズヲルトンクンももう少しで20歳になろうとしていました―
「カッコ付けんのだるくないですか」
―だるくないです。読みやすくするのです。
「書くのがまじでめんどいぞ」
―そんな事言ってるからずっと君は誰にもサヨナラを言えないし、しずちゃんに見捨てられるのです。
「ぐぅの寝も出ないな」
―寝てはいけないのです
「タイポ指摘してくれないのね。悲しい」
友達のいないアズヲルトン君は物語のっていうかファンタジーでは多分ハウツーボンで禁じてとか言われてるであとう。語り手、ストーリーテラーの私ととてもひどい会話をしながら減らず口の町にきました。なんかふきだまりの町思い出しませんか。あれ8っぽい感じのグラフィックで見てみたいなぁ…
「しずちゃんをしりませんか」
「この国の女王様です」
アズヲルトン君。流石に唖然としました。この国の女王様になってしまったしずちゃんの貞操が危ない! とかそういうことを思ってたんでしょうか。童貞の発想ですね。
「それはお前の発想やろが」
アズヲロトン君は腕をグルングルン回して、減らず口の塔に攻め入る事にしました。そうです、減らず口の大王を叩きのめすのです。流石ファンタジーの内部においては流石のアゼヲルトン君もRPGっぽい展開にしていかないと動くことができないようでした。城に侵入する方法は簡単でした。既にアズヲルトン君は変態だったkらです。最初に書いたパンイチは、適当に見せかけてここで城に入るためのFRAGU。基布石だったのです。(伏線と布石の違いを教えてくれたのはカクヨムでした。ありがとうとても感謝している)
こうしてまんまと城内に牢屋を作っていたいら減らず口の城は、世界一くだらなくてどうしようもない減らず口・オブ・キングな青年、アズヲルトン君の侵入を許してしまったのです。そして、これが後の後世に語り継がれる『ロード・オブ・アズヲルトン~禁じられた果実~』という自費出版の悲しい本の最初の最初に収めれたお話「減らず口な夜の大王」につながっていくことになるんどす。
次に続く
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