第5話 おぼれるものにツタンカーメンを


 隣の部屋のカップルは猿だとおもう。健全な猿だとおもう。夜と朝大体ギシギシいっている。でも、まぁ若いカップルが愛し合っているのを邪魔するのもなぁと思うので仕方ないと思って今迄何もしてこなかったが、何もしてない俺がコーヒーミルでゴリゴリやっている音がうるさいのか壁ドンしてくる感じはちょっとひどくないか。俺だってドキドキの初壁ドンをやってみたいものだ。

 俺はしがない探偵だ。探偵と行っても浮気調査とか、そういう現代の探偵みたいなこともしてない。殺人事件は警察に。当たり前の話だね。すなまかったね。犬の散歩と捜索。変換ミスで創作って打ってみたかったが、ちょっとしたナチュラルな奇跡感というのはこの文章には気取りすぎて、いい迷惑だとおもったので没にしたかったが、こうして言い訳にしたところをみると、結局書いてるやないか俺!

 おい、今こうして日誌を書いているところでまた隣のカップルが喘ぎ出したぞ。まじでうるさいぞ。こっちは仕事してるんだぞ。レオパレスよ。もうちょっと壁を暑くしてくれ。眠れないじゃないか。勿論ここは仕事場兼住居みたいなもんだ。事務所兼住宅か。名称なんかどうだっていいや。まじでうるさい。いい加減どなってやろうかとキーボードを叩くてが加速する。俺は脱兎の如くタイプを正確に打ち始めた。今日は大人になって始めてのパチンコだった。球を買い、適当に打ってみたがやり方あ分からなく千円を無駄にした。始めてのタバコも震えながら吸った。ゲホゲホ吐いた。俺はどうやら大人になれないらしい。鼻くそほじってティシュに性欲と共に丸めてゴミ箱に捨ててしまった方が人間として良かったのかもしれない。

 隣の声からもうダメとか気持ちいとか言ってるのが聞こえて、俺は猫の写真や犬の写真を見て、探す予定の猫や犬の写真を見て、猫や犬の特徴を写真から得て、痒くなってきた頭を掻きながら時折ゲームをしつつ町にくりだして、先日車にひき殺されたという犬や猫の死骸から、頼まれた、ペットのしたいを、見つけて、写真を持っていた手が地面に垂れた。

 二匹死んでいた白猫とクロネコは手をつないでいた。やっぱりこいつらは駆け落ちするぐらいに、互いを愛し合っていたのだろうか。

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