第4話 明日満月になる


 風の音を聞け。

 聞こえません。いや、ちゃんと聞けば聞こえるのかもしれないが、そういうのは大体聞こえないものだとおもう。感傷的な気分が風を強調させ、雨を降らせる。やばい事をした人類の多くがあせる。理知的な奴は恐ろしいくらい綺麗な笑顔でにこにこ笑っているに違いない。そういうものだと誰かが決めたんだ。逆転裁判はいいぞ。逆境を笑顔に変えてくれる魔法のゲームだ。しかし、逆裁には後ろめたい奴はあんまり出てこないかもしれないね。理知的な奴はさいしょからこの文章をおそらく読んでいないだろうから、多分成歩堂君みたいな嘘つきのそこの君がこの文章に助けを求めていたり「そうだよ、その通りだよ」みたいな感じで共感を求めつつ助けを求めているに違いないが、その時は素直に謝るのがいいとおもう。僕も実は、正しい謝り方をしらない。ずっと射に構えて胡麻してきたからね。真面目に不真面目ってうのはとてもいい言葉だ。天邪鬼みたいな感じでもあるな。でもそれが人間だっていうと、うしろめたいよな。だから僕は僕の事を僕で有り続けたい。僕は僕なんだ!とエヴァンゲリオンは終わるのだ。だから碇君のジメジメした心の事なんて知ったこっちゃないし分からない奴らは、対面上おめでとうと言って碇を祝福するのさ。人間がいる限り、残念ながらその悩みは君の中から消えることはないだろう。なぜなら、理知的な人間は最初から困難を前にしてふてぶてしく笑う程の余裕を持っているからだ。

 残念ながら君は、そういう立場の人間として生まれることができなかった。


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