主な登場人物紹介 ペイン海賊団の皆さん

 「ペイン海賊団の皆さん」などと、ふざけたタイトルで紹介しておりますが、ある意味、フランシス一味よりもタチが悪い極悪非道な殺戮集団です。


 海賊と一言でいっても、船を襲い、抵抗さえしなければ、めぼしい金品を強奪する”だけで済む”海賊もいます。けれども、この「ペイン海賊団」においては、最初から強奪は殺戮と同義です。まさに、殺して奪え、奪って殺せといった具合に……

 仁義も容赦も何もなく、奴らに目をつけられた船は一貫の終わりです。

 なんと、第4章の終わりで、見張りボーイのランディーが余計なことを言ったがために、彼らはルークやディランたちの乗った船を強奪船にて追いかけ、本船との挟み撃ちにするようで……


 現在は30人ほどの構成員ですが、主要な5名のみ紹介いたします。

 その5名とも、ルーク・ノア・ロビンソンとディラン・ニール・ハドソンとは顔見知りです。



●親方

 本名セシル・ペイン・マイルズ。

 直接の登場は第4章終了時点ではまだのため、詳細な容姿については不明。


 一見、美少年を想像する名前であるが、ルークとディランの記憶のなかにある親方、そしてトレヴァーが旅人よりうわさで聞いている彼の特徴は「中年・毛深い・大酒飲み」と見事に一致している。

 

 ルークとディランは、レンガ積みの仕事をしていた少年時代に、この親方に怒声と拳骨を容赦なく、くらわされたらしい。だが、ルークは「嫌な奴だったけど、あの親方には鍛えられた」とも言っていた。

 ルークとディランが「ペイン海賊団」の噂を聞いた時、親方のことを――身寄りのない子供たちを集めて、その日暮らしとはいえ、飯と眠る場所を得る機会を与えてくれた1人の大人の広い背中を――信じようとしていた描写が第4章にて見られた。



●ジム

 本名ジェームス・ハーヴェイ・アトキンス。愛称ジム。

 

 21才。177cm。

 紫がかった黒髪と、榛色系の瞳の青年。

 身長はそれほど高くはないが、目が大きく鼻筋が通った整った顔立ちで、美形と形容するよりもハンサムと形容したしっくりとくる容姿。身長の割に手足も長く、体つきも均整がとれている。

 だが、眼光が非常に鋭く、見張りボーイのランディーを時々、震えあがらせている。彼は笑っていても、その瞳は笑っていないのだ。


 トレヴァーが旅人から聞いた話では、ペイン海賊船を束ねているマイルズのすぐ下には3人の若い男がいて、その中でも特に有名なのはアトキンスという男――つまりはジムであることから、残虐性や悪知恵は他の2人よりも上だと思われる。



●ルイージ

 本名ルイージ・ビル・オルコット。


 21才。194cm。

 赤茶けた艶のない髪と、栗色の瞳の青年。

 彼は長身ではあるも、ガッシリとした体格ではなく、ひょろ長い感じののっぽ。彼の白い頬には、無数のそばかすが散り、顔の彫りもやや浅めである。

 美形やハンサムと形容するにはやや厳しい容姿の彼であるが、生まれ持った顔立ちは人が良さそうに見える。だが、彼が喋るとその口元は下劣なまでに歪む。


 親方の元でレンガ積みの仕事をしていた頃、気に入らない奴をジムとルイージがボコっていた(虐めていた)時、年下のルークとディランが止めに入ってきたらしい。数年たった今も彼らにとってルークとディランは”相当にムカついてくる奴ら”の位置づけである。


★ルークとディラン、カールとダリオが作中で”にこいち”コンビとされるなら、このジムとルイージも「ペイン海賊団」における”にこいち”コンビであるだろう。



●エルドレッド

 本名エルドレッド・デレク・スパイアーズ

 直接の登場は第4章終了時点ではまだのため、詳細な容姿については不明。

(以下は、ランディーが心中での彼についての描写である)

 

 エルドレッドは、ルークやディランと同じ18才。

 「ペイン海賊団」における弓の名手。接近戦ならジムやルイージ、そして親方にも軍配があがるが、遠距離戦ならあの海賊船の中で、彼の右に出る者はいない。 

 

 彼が「ペイン海賊団」の構成員となることを選択し、船に乗る幾月か前に、彼は勤め先の火事にあい、彼も火傷で重症を負ったらしい。

 だが……

 ランディーが見た限り、彼の素肌には火傷の痕は見当たらない。それに加え、いつの間に身につけたのか、まるで”魔法のような”弓矢の技術。

 さらにそのうえ、ランディーはエルドレッド自身の性格は、ジムやルイージよりも、ルークやディランに近いように思っていた。

 人は変わるということか、それとも……



●ランディー

 本名ランディー・デレク・モット


 17才。168cm。

 黒のようなグレーのようなはっきりしない髪の色と同じ色のフサフサとした睫毛は濃すぎで長過ぎで、女みたいなおかっぱ頭をしている少年。

 二次性徴期をとうに迎えているはずなのに、雄としての要素が足りていないような小柄で華奢な体格をしており、顔立ちも非常に幼い。


 彼は、本当に人外の者と形容してもいいぐらいの視力の持ち主であり、穏やかな海の彼方も、荒れる海の彼方も見渡せるため、見張りとして重宝されている。

 だが、幼い頃に暴走した馬車に轢かれた後遺症によって、彼は今も左脚を引きずりながら歩いている。よって、「ペイン海賊団」の戦闘員ではない。


 そして、ジムやルイージに「童貞(チェリー)ボーイ」とからかわれていることから、強姦や輪姦には参加はしていないのだろう。

 そんな彼であるが、ジムたちに嫌悪と恐怖を抱きながらも彼らを行動をともにし続けており、自分の手に負えないこと(現在、ジムたちが人質としているエマヌエーレ国の貴族たちのこと)は、考えないようにしていた。

 ランディー自身は、自分はジムたちと違うと思っているのかもしれないが、戦闘員ではないにしろ、その「ペイン海賊団」の立派な一員である。

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