第13話 雨降小僧
それは、ある雨の降る日のことだった。
「はい交換、そんで攻撃透かし」
「ぬあああああああ!! また攻撃読まれた!何度目だ!」
「ニシシ、
「ぬがあああああああああ!! また読まれたぞ!」
俺の部屋では
「で、どうせここで交換読み交換でしょ? まあ、アタシは交換しないけど」
「はああああ!? なんでこの状況で替えてこないんだよ、これじゃ、自分から
「でまあ、小守っちの交換読んでた訳で、ソイツに通る攻撃選んでる訳で」
「ウチのエースが!!」
「はい、終了。後はサブウェポン撃って退場待ち、んで、後続有利対面で試合終了だな」
「まだだ、まだ、クリティカルがあればチャンスが残ってる!」
ゲーマー達は楽しそうだ。
「なぁ小守、奇跡のクリティカルを願ってるとこ悪いがもう一度聞いてもいいか?」
「こいこいこいこい! ぬがあああああああああ!!」
「ニシシ、クリティカルなんてそうそうでないぜ」
奇跡はそう簡単には起こらないらしい。
「で、なんだって?」
負けて少しふて腐りながらも
「ああ、この雷がなる土砂降りの雨の中、ここから見えるあの子供は放っておいてもいいのか?」
部屋の窓からはタライをひっくり返したような勢いの雨と、向かい側に見える道路に
「さっきも言ったが放置してて構わん。といっても、お前はさっきそれで納得しなかったな。よし、では負けがこんできたし少しだけ
小守はいつもの不遜な態度で話し始める。
「あれは
「別なヤツ?」
俺が疑問を覚えると同時にピカリと閃光が窓の外に走る。数秒遅れてゴロゴロと腹に響く低い音、雷だ。
「そう、コレだ。近くにでも落ちたら停電するだろ、そうなったらネットが切れるだろう? いいとこまでいったのにぬがあああああああ! 思い出しても腹が立つ!」
(ああ、これは俺が帰ってくる前に一度なってるな。だからネット対戦じゃなくて
「まーまー、落ち着けって小守っち、どうせあのまま行ってれば勝てたかどうか怪しかったぜ?」
「だからこそなのだ! これでは相手に逃げられたと思われるじゃないか!」
変なところにプライドあるな。
ふと窓の外を再び見てみると、既に雨降小僧の姿は消えていた。
「いつの間に」
そもそも
「雨、やんだな」
「なに、
「どーする小守っち、ネット対戦でもまたするか?」
「当然だ」
「ニシシ、アタシがサポートしてやるぜ」
「イラン、余計な事するな、わたしのカレーな戦いを黙ってみておけ」
ゲーマー達はまた自分達の世界に入って行く。
「ん?」
そんな中、俺は外から
(誰もいない、気のせいか?)
気のせいだと思い、俺は窓のカーテンを閉めるのだった。
アパートの近く、電信柱に身を隠してアパートを監視する人物がいた。
「アイツが、戦場大助。ただの不良にしか見えないが、世界に対して喧嘩売った大バカ者、そして、人ならざる者を守った男。私の、敵」
ソイツはカーテンが閉められた部屋を憎しげに見つめ、そして『
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