第2章 新たなる英雄

プロローグ

 田中正義が葉加瀬博士博士と出会い初めてハロウィン仮面に変身してから数ヶ月が過ぎた。結局彼は葉加瀬に協力し、人類の平和のために戦いを続けていた。

「ぐわああああああっ!」

 ハロウィン・スタンピング・キックの前にクモ邪身フェイスは敗れ、その体は硝煙と共に消えていった。と同時に正義の変身が解けた。稼働時間ギリギリであったようだ。

「ふ~っ」

 またひとつの戦いを終え、正義は一息つく。今回の相手も強敵だった。

「またギリギリだったな、田中君」

 少し離れた位置から彼の戦いを見ていた葉加瀬が近づいてきて言った。

「ああ。でもようやく戦いに慣れてきたし、そろそろ余裕は出てきたよ」

「そうか。もはや君だけが頼りなんだ。よろしく頼む」

「わかってるって。ところで……今ので何体目だっけ?」

「12体目だ」

「全部で108体って言ってたよな……て事はあと96体か……まだまだだな」

「その先に暗黒闘士ジャークもいる」

「ダークのリーダー……だっけ?」

「そうだ。奴は恐ろしい存在だ。今の君が戦ったところで1分ともたないだろう」

「……そんなにか……」

 とりあえず実戦あるのみか。経験を積んで強くなっていくしかない。と正義は思った。

「よし、研究所に戻ろう。今日は車校はないんだよな?」

 現在正義はハロウィン・マシンを運転できるように大型二輪免許を取得するため、自動車学校に通っていた。両親の説得には相当苦労した。

「ないよ。てか研究所って、ただのテントじゃねーか」

 説明しよう。葉加瀬研究所はとある河原に張られているテントなのだ。

「ただのテントでも、研究所に変わりはない。一緒に来てくれ。見せたいものがある」

「見せたいもの?」

 何なんだろう、どうせくだらないものなのだろう。と思いながらもとりあえず正義は葉加瀬についていく事にした。

 その様子をは黙って見ていた。やがてふたりの姿が見えなくなってからぼそりとつぶやいた。

「あれがハロウィン・システムの装着者……英雄は……」

 ひとりでいい。

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