炎上

「も~えろよもえろ~よ~、キャハハハ」


 少年が火を灯すと、それは勢い良く燃え始めた。


「ねえ~、あんたらそんなに燃えたかったんだね~」


 少年が誰かに話しかける。


「だからお望み通りにしてあげたよ~。嬉しいでしょ~?」

「ギャアアアーーー!」


「ありゃ、もう燃え尽きちゃったか~。さて、次は誰~?」

 少年は真っ黒焦げになったソレを槍で刺し、ニヤニヤ笑って尋ねる。


 そこには大勢の人がいたが、誰も返事をしなかった。


「ん~? 遠慮しなくていいんだよ。だってあんたら『炎上』したいんでしょ~?」


「い、いや意味が違」

 一人の男が震えながら言おうとしたが


「目立つならおんなじだろ~? さ~て、誰も答えないなら……全員纏めてしてあげるよ~」


 少年が手にしていた槍を振りかざすと、そこにいた全ての者達が一瞬のうちに燃え上がった。



「キャハハハ~。まあどうせすぐ消されるだろけど、一応動画サイトにはあげといたからね~。だから安心して地獄の業火に焼かれてね~」


 少年は黒焦げになった人々を踏みつけながら言った。

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