生きた証
「あいつ大丈夫かな」
少年がとある人物の事を心配していた時、誰かが話しかけてきた。
「ん、彼に何かあったのかって? ……なんだよ。あいつ」
その誰かは首を傾げていた。
「よくわかんないか……あのね、ようするにいずれあいつは全ての思い出を無くしてしまう、って事なんだよ」
その誰かは驚いて何とかならないのか尋ねた。
「僕でも君でもこれはどうする事もできないよ。たとえ神でも……だから彼は今のうちに自分がこの世に生きた証を残そうとしているんだよ」
少年とその誰かの目には涙が浮かんでいた。
「できる事なら彼のそれが多くの人の目に止まってくれたらいいんだけどね」
少年は空を見上げて呟いた。
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