おまけ 2

「えーとね、八雲さん。ちょっと、現状が理解出来ないんだけどね」

「あー…………。何か問題でも見つかったんすか」

「いやね。問題って言うと、っていうか、どう見てもカルテと君の状態が一致しないんだけど。肋骨数本骨折、全身強打、右膝蓋骨に罅、後頭部、腹部、背部共に重度の外傷。普通だったら動けなくて数ヶ月はベッドの上だよ。ていうかその前に出血多量で死んでてもおかしくないんだけど、これ」

「はあ」

「それなのに君は歩いて病院まで来たんだよね、……痛覚障害は無いみたいだけど……」

「まあ……俺、ちょっと頑丈なんで」

「頑丈軽く通り越してもはや化け物の域だよ八雲さん。此処に来る前になにしてたの」

「なにって……まぁ仕事、ですかね」

「仕事、……そんな状態になる仕事ねぇ……、殺し屋かなんかでもしてるのかい君は」

「先生!冗談キツいわ、いつも世話んなっとるのに」

「いつも世話してるからだよ、君は毎回受け付けの人達驚かせて、何事も無かったようにふらーっと帰って行くんだから」

「うぐ、毎度お騒がせしてすいまへん……」

「ま。取り合えずは、入院かな。うん、入院決定」

「はぁっ!?ちょ、入院だけはかんにんしたってくれや……!無理無理!俺そないなことしてる場合やないから!」

「そんな状態で入院しないで帰る人いないから、諦めて」

「無理です、今直ぐ帰りますんで」



「ちょっと君達、八雲さん取り押さえて。あとストレッチャー持ってきて、大至急」



「え…………!?ちょ、ちょ、ちょちょ!まっ、まっ、まっ――アッー!!」

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