第13話 うつむく女
1
お騒がせ退魔師、改め八雲の一件から数日。
誰にも気がつかれずに樹海から生還を果たし、その後なんの問題も無く、俺は通常通りの生活に戻っていた。
平和というものがこれ程までに有難いものだと改めて実感しながらも、相変わらず不健康極まりないソーメン生活を繰り返し、夏バテがいよいよ本格化し始める今日この頃だが。そこそこ元気はあったし、生活に支障はないのでよしとしていた。
夜勤から帰って昼間は眠り、また夜勤に出る。
単調な毎日が、暑さと共に過ぎていく。
そんなある日、些細な事件がコンビニで起こった。
深夜零時頃――。まだ客足は途絶えず。店内には作業着姿やサラリーマン風が数人いる。カップ麺や弁当、栄養ドリンクが特に出ていき、夜が更けると、したくてもできなくなるレジ打ちがちょっとだけ楽しく思える。そんな、当たり前に訪れ、過ぎていく時間だったんだ。
いつもなら――。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます