花とロボット

 ロボットが花を摘んでいた。

 生物の姿は見当たらない。すでにこの星では、絶滅してしまったのだろう。ロボットが摘んでいるのも、造花だった。

 花を摘む仕事をしていたのだろうか。それとも、花に興味を持つようになったのだろうか。

 じっと見ていると、ロボットもこちらを向いた。

 私は、どうしていいかわからなかった。ただ、こちらからも見つめていた。

 ロボットは突然、摘んでいた花を投げ捨てた。

「イセイジンヲ、セツナクサセルコトニ、セイコウシタゾ! ヨソウドオリダッタ! ニンムハシュウリョウダ!」

 それっきり、ロボットは動かなくなってしまった。

 この星にはもう、動くものの姿は見当たらない。

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