第20話

「長かったなぁ」


 5ヶ月をかけた宣伝と耐久テストをかねたこの旅もそろそろ終わりを告げていた。


 そこは四国徳島の、激しく田舎の村だった。


 古い古い日本家屋。


 古木とトタンでできた汚いガレージには年代物のトラクターが鎮座している。そんな古い家だ。


「お帰り。としかず」


「ただいま‥‥紹介するよ、友達のTA999だ」


 TA999はカメラを2つ動かしただけだった。それだけなのに。


 おばさんはしわしわの笑顔を浮かべた。


 季節の終わり。


 夕日が美しく。


 その日も暑かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る