Scene5 これが逆ハー潰しの男タラシ sight of ダアル
まえがきに代えた
ヘンタイの一人称は嫌だという人向き Scene5のあらすじ
CAST
《ダアル》 《クリス》 《境夜》 《咲夜》 《キリト》 《マユスィー》
ヘンタイBL風ギャグコメディ小説風です。
ダアルは仲間はずれになった気分だ。
なぜか境夜が知らない間に仲間認定されてたからだ。
でも、ダアルはドMなだけでなく、男もイケルかもしれない。
ヘンタイは仲間はずれになりそうだ。
境夜はヘンタイにも寛容で、クリスは要塞に引っ越すことになった。
注意事項
●作者はヘンタイではないので、ベタな変態的描写が下手な場合は、改善点を御指摘ください。
●一見BLっぽい展開が続きますが、境夜はニコポの使い手ではありません。
●ダアルのプライドは、クリスの調教で破壊されています。
●ダアルはチョロイですが、チョロインではありません。
●間違ってもBL三角形展開はありません。
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Scene5
これが逆ハー潰しの男タラシ sight of ダアル
「というわけで、今日から村外れの《
クリスの姉御は、今日も唐突でした。
って、何それ? 説明足りてないんじゃネ?
この妙な格好した自称異世界からの旅人と人間離れした美女を説明するのに、それだけ?
「っていうか、というわけでの前に何もなかったんデスが?」
二人の自己紹介だけでしたよネ?
なんで、みんなこんなに仲良さげな雰囲気?
マユスィーはいつもどおりとして、脳筋のキリトは一目置いてる感じだし、あのシビアな姉御が受け入れてるって……この短い間に何が!?
「アンタん家と長老衆には、話は通してあるし、アンタが惰眠を貪ってる間にアンタ以外の《極東の剣》の隊員にも紹介はしたんだから、ホントは時間の無駄なんだけど、境夜がどうしてもっていうからね」
いや、待って。
殴りたおされてたんで、寝てたんじゃないデスよネ?
「たしかに御褒美に恍惚としてしまいましたが!」
「まあ、見てのとおりのヘンタイデブよ。よろしくしなくてもいいけど、親はマトモだから」
「ののしりキターッ! ありがとうございます!!」
姉御は、いつになく御褒美を連発してくれるょお!
もちろん、姉御は御褒美のつもりはなくて、いつもの冷たい目で見てくれるけど……ソレがイイ!
思わず、ビクンビクンしちゃうょお!!
「よろしく、ダアルくん」
ぅお?
境夜サンが、真っ直ぐビクンビクンしてる僕の顔を見て、気持ち悪がりもせず、スゲーかわいい笑顔で笑いかけてくれるんデスが?
キリトも引いてるし、マユスィーは
「よ、よろしくデウ」
いや、僕はノーマルデスから、ホント!
でも、なんかドキドキが止まらないんデスが。
普段のあつかいとのギャップ萌えデスよネ?
姉御の調教で、こんなカラダにされた僕だけど、ひとのやさしさが身に染みるょお!
パンツに滲みてくる姉御の御褒美もイイけど、このやさしさもいいっ!!
「顔を赤らめるな! 気持ち悪い!」
あ、キリト。オマエの罵倒はいらんから。
「そういうオマエも、妙に境夜サンと距離が近いんだが!?」
「……くっ! これが逆ハー潰しの男タラシ!」
いや、いや。
姉御が何か小さな声で言ってるのが聞こえた気がスルけど、ここは気のせいってことで!
「何、言ってるんだ。俺にはそんな趣味はない!」
「僕にだってないょお! ……って、口に出てた?」
しまった。
時々、やっちゃうんだょお、僕って正直者だし。
姉御に嘘のつけないカラダにしてもらったので!
「出てたよ……って、また妙な事を考えてるな? 鼻の鼻広げて目を潤ませるな!」
「キリト、ヘンタイはどうしようもないのは、判ってるでしょ?」
姉御の御褒美、いただきましたあっ!
「話を戻すわよ。そういうわけだから、今日から、あたしも境夜達とそっちに住むから、あと────」
「って、ちょっと待つょお! 何でそうなるんだか、解らないんですが!?」
「いい? ダアル。 衣食足りて礼節を知るっていう言葉があるの。文明人であるために、人であるために必要な事なのよ」
「いや、意味判んないし! 姉御は僕達を見捨てるのかょお? もう、この村に姉御は無くてはならない存在なんだょお!」
「バカね……見捨てたりはしないわよ。あんただけならともかく。一応、両親もいるしね。 何かあったら呼べばいいし、連絡役でアンタが毎日行き来すれば、すべてオッケーね」
「オッケーって意味判らないし! でも毎日会えるなら問題ナシで」
「オッケーっていうのは、大丈夫とか問題なしという意味の言葉だよ」
「そうそう。あと《極東の剣》は今日からアヤサ村自衛隊じゃなくて、秘密結社になったから」
へ? 秘密結社って何それ?
「そこらは、新しいあたし達の家へ向かう途中で話してあげる。 さあ、行くわよ」
って、急展開過ぎて訳わからんのですけど!
で、とにかく姉御が言い出したら聞かないのはいつものことなので、後についていきながら聞いた話だと。
1、境夜サンはホンモノの異世界人で向こうの世界のものを買って持ってくる事ができる。
2、だから便利な魔道具を借りて村の開拓をして、名だけの自治領から本当に独立した自治領にする。
3、でも境夜サンの事が貴族に知られると面倒になるので、村ではなく《
4、境夜サンの魔道具でこちらの産物を売って、異世界の金銭に換えられるので、《極東の剣》は、今まで通りの自衛隊としての活動の他に、その手伝いもする。
5、そこで自衛隊ではなく、秘密を守り商売をして境夜サンと村を守る秘密結社として《極東の剣》は再出発する事にした。
行間って言うには、大きすぎる展開な事案発生!
吟遊詩でいうなら、数万字かかってもオカシクないっていうか。
吟遊詩人が詠うなら数時間は持たせられるシーン!
それが、なんで朝から昼過ぎまでの短い間に起きてるのか!?
物語で省略したら、ぜったい読者が抗議するくらいの省略なんですがっ!?
「っていうか、これ普通にヤバクね? 王国に知られたら滅亡コースなのではっ!? 姉御と心中できるのは本望ですがっ! でも決して死にたいわけでは────ぶひいっ!!」
姉御の肘打ちが頬肉を抉るように通り抜けて──御褒美ありがとうございますっ!!
あおん、イッちゃったょお♥
「こっちは、本望じゃないわっ!! 縁起でもない! 妙なことを口走るなっ!!」
「あれ? また、口に出てた?」
「出てたな。ついでにいえば、変な液体も出てるな」
「キリトっ! 言葉によるセクハラっ!!」
「あっ! クリスさん、すいません」
やれやれ、キリトはこれだから……。
「オマエ、今、自分のことを棚にあげてるだろ」
キリトが意外にスルドイ!?
「アンタ達、いいかげんにしなさい。とにかく、ヘンタイもアレを見たら納得するでしょうから、もっと急ぎなさい」
アレ? アレって────
「あ、クリスちゃん、見えてきたよっ!」
考えてたらマユスィーが、そういって何かを指差した。
「ああ、ついたようね。アレ見てみなさい」
《
指差す先は少し離れた場所で、何かの建物が建っていた。
「塔?」
少し行った窪地に立っているそれは初めは小さな塔に見えたが進むうちにそれがとても大きな建物の一部だと判った。
見えてる部分が進むにつれてどんどん大きくなり、窪地を見下ろせる場所まで来た時には開いた口が塞がらなくなっていた。
「……あんだお、おえ?」
あ、また声になってた。
なんだよ、これが、口を開けたままなので
「スゴイよね~。お城って、マユスィー、初めて見たよ」
「普通の7階建てなんだけどね」
「億ションどころか大規模デパートサイズの7階建ては普通じゃないわよ」
姉御が何を言ってるか判らないけど、確かに普通じゃない。
「で、ぶっ? な、なんなんだょお? これ! な、なんで、御城がちょっとみない間に建ってるんだょお? ふつう、考えられないでしょ!」
口を一度閉じようとしたら、
って、今はそんなこと考えてる場合じゃないよね!?
「これは、城じゃなくて、ただのビルだよ。ボクが住んでいたマンションと呼
ばれる部類の建造物だよ。同じものではないけれど、造りは一緒だね」
っていうか、僕、混乱してるんですがっ!?
だって、コレってただの城っていうより────
「…………どこの世界にセントリーガンやレーザー兵器を仕込んだマンション
があるのよ? エネルギーも内部で賄ってるし、普通に都市型要塞よね、これ?」
要塞、そう!
これって、どう見ても要塞だよねっ!?
堀とかがないだけで、辺境伯が20年かけて造った要塞と同じサイズの要塞がいつの間にか建ってるんですが、これ!
「便利な魔道具で、使ったらパッって何でも出てくるんだよ! マユスィー、魔道具って初めて見たけど、こんなにスゴイんだねー! 魔法みたいだよ!」
いや、こんな魔道具ないから!
魔法でもできないよね、こんなことっ!!
「ただで出てくるんじゃなくて対価は払わないといけないし、向こうの世界で流通してるものとボクが持っていたものや取引したものに限るから買うのには変わらないけど、瞬時に出てくるのは魔法だけはあるね」
「俺には、中にある魔道具もまとめて出てきたほうが驚きだったよ」
「これは、僕の持ち物としての分類にあてはまるものだからで、それ以外の買い物は単体なんだけどね」
いつの間にか僕は立ち止まってたようで、楽しそうに話すみんなの声が離れていく。
「ま、まってくれょお~」
ほんのちょっとの間に、みんなに置いて行かれた気がして、あわてて追いかける。
「仲間外れは、イヤだょお!」
けれど、あわてて走ったたせいで、何かにつまづいたようで、僕は体勢を崩して頭から地面に突っ込んでいった。
運悪く、目の前にあった尖った石へと向かって────。
これはダメだ。
手を前に出そうとするけど、間に合わないのが判った。
ああ、これは死ぬな……。
どこか他人事のように考えた次の瞬間。
「っと! 大丈夫かい?」
視界が急激に回転して体が宙を舞い、けれど何の衝撃も無く、僕は誰かに抱きとめられていた。
「よかった。足下が悪いから気をつけて」
き、境夜サン?
顔をあげると境夜サンが優しい笑みを浮かべて僕を見ていた。
すごくいい匂いがして、キュンと胸がしめつけられるような感覚がするょお!!
「ヘンタイ禁止っ!!」
と、姉御の声がして頭に衝撃が走った。
「なに、恋に落ちた少女みたいな雰囲気だしてんのよっ!」
ふぅおおン♥
御褒美ありがとうございますっ!!
あ、あぶなく恋に落ちるとこだったょお。
でも、もう僕の体は姉御の虜になってるから、御褒美には逆らえないんだょお!
「ったく、アンタはとろいんだから、こんなとこで走るんじゃないわよ。置いてきゃしないんだから」
そういって、姉御がもう一回、頭を叩いたけど、それは御褒美ではなくて、すごくやさしいものだった。
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あとがきに代えた
次回予告
え? マユスィーがするの? 次回予告?
えっと、えっと、マユスィーです。
境夜さんが来てから、村はいろいろ変わりました。
初めは驚いたり、境夜さんが悪いひとじゃないかと心配したひともいたけど、今ではクリスちゃん以上に頼りにされてます。
《
それだけが理由じゃないってクリスちゃんは言うけど、マユスィーには難しいことは解らないのです。
お堀は、離れた川から水が引かれているので、釣りもできて村のみんなは喜んでいます。
それで──え? もう時間?
えっと
次回
Scene6
男のひとも女のひとも、みんな仲良くしないとダメだよ sight of マユスィー
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