「イィィィルゥゥカァァさぁぁぁぁぁんん!!!」
って寝てたぁーーーーーー!
あるまじき!看護師としてあるまじき!!
レポートはもうちょいで終わるからいいけど、患者さんの様子とか全然見に行ってない!
ナースコールは?良かった、されてなかった。もしされてたのに寝てたってことになったら……ブルブル。冷や汗。そうだ、汗。えっとどこだ、あった。くんかくんか。くんかくんかくんかくんか。ふぃー。落ち着いた。ありがとう先生。私にはやっぱりあなたが必要です。
今日はたまたま他の看護師の人が少なくて、昼間はおっきな病院から何人か来てもらってたけど、夜になって帰っちゃってる。ってか誰か起こしてよ。
夕食の時間ギリギリ前。よし、ダッシュで届けよう。病院食のワゴン車を取りに行って、順番に部屋をまわって……
1号室。2号室。3号室。4号室はなくて5号室。ろくご……え。ええええええええ。もう今日なんなの!!
イィィィルゥゥカァァさぁぁぁぁぁんん!!!
え、マジでいないの?あの人何がしたいの。あーもーちくしょー。
部屋にもほかの病室にもトイレにもいないので、アナウンスをかけてみたけど出てこない。
最悪。
先生に電話するかぁ……
プルルルル。ガチャ。
「せ、先生!患者さんがいないんです!!」
「患者とは、どの患者だい?」
「イルカさんです、ほら、今日の手術の!」
「確か今日、その患者に警察の方が話を聞きに来ていただろう。その人に連絡してくれ。」
「分かりました!」
プツン。
……せっかく電話できる口実あったのになぁ…
でもそんなこと言ってる場合じゃない。もしイルカさんが見つからなければ病院の信用に関わり、責任を取って辞めさせられたら先生に会えなくなってしまう。それだけは回避しなければ。
病院の固定電話の通話履歴に、警察の人の番号が残っていたので、かけなおす。
プルルルル。ガチャ。
「イルカさんが居なくなったんです!!」
「え……あ、分かりました。ありがとうございます。」
プツン。
よし。これでおっけ。
私はどうしようかなぁ。先生がどうするか、くんか、聞いてなかったし。くんか。病院の、くんかくんか、他のところも、くんかくんかくんか、もうちょっと、くんか、探してみようかな。くんか。
はっ。先生の汗タオル。無意識にっ。
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