フラッシュ焚いてなかった件

走った。どれくらい走ったって、メロスよりも速かったと思う。俺には身代わりになってくれるような友達はいなかったが、とにかく走った。


どこへ?仕事場だよ。あけぼの出版。

これだけスクープが採れたら持ってくしかないだろ。警察官VS殺し屋。こんな事件なかなか無いんじゃないかな。




「で?何が、殺し屋対警察?真っ暗じゃん。」

くそ。しまった。暗い公園の中、フラッシュも切らずに、暗視カメラでもない普通のカメラで撮ったら、そりゃこうなる。ただの真っ黒な写真。


「あの、えっと、」

「何してたんだよこんな時間まで。ちゃんと働けよ給料やってんだから。」

厳しいが、正論。泣き寝入りか……?

あ、そうだ。

「じ、実は、とても美味しいバーがありまして、まだ誰も知らないみたいなんですけど、」

「じゃあサッサとその味の秘密でも探って来い!」

「は、はい!」

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Ⅶ-㐂-7/8 By. Time Report Band 「タイトル意味不明だけど読んだらそこそこ面白めの群像劇だった件」(*゚∀゚) いましん @zunomashi

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