Lithium By.The Bad Plus(NIRVANA cover)

トゥルルルルル。

店の黒電話の音が、アイスピックを探していた私の手を止めました。

出ると、徳田さんでした。

「アルバイト、要りませんか。」


徳田さんの話をまとめると、患者さんを社会復帰させてあげたい。しかし今の状態ではまともに働ける場所がほとんどないので、私のバーで働かせてもらえないか。とのことでした。

このバーはかなり暇な時間が多く、確かにそんな人でも働けると思いました。ですが、店員を雇えるほどお金は余っていません。

そのことを伝えると、大部分は負担してくださるらしいので、了解しました。これで楽しみが増えるというものです。




電話を切り、そうだと思い出して、今度は那須さんに電話を掛けました。ショーツクルは彼女から仕入れているのです。

くるくるとダイヤルを回し、これまたくるくるとコードをいじって待つと、電話が通じました。

「はい、こちら……あ、初村さんですか?」

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