幼女な神様再び

「...はぁぁぁぁぁぁぁ」


自室に入った途端。鳴り響く溜息。

それもそのはずだ。疲れを癒そうとして眠り、起きたとたんルーナに馬乗りされていたんだから。

そんなこともあり今日は眠ることにしよう。お風呂は...ま、明日早起きして入ることにする。

俺はよろよろとベッドに寝っころがり目をつぶった。意識がだんだんぼやけてくる...そして意識が飛ぶ瞬間―


『やぁ!異世界生活第一日目はどうだった?』

「―っ!?」


この声は...あの幼女か...

先ほど聞いたばかりの声になつかしさを覚えつつも睡眠を邪魔されたことのイラつきがその感情を押しつぶす。


「それで...用はなんだ?忙しいって言ってただろ...」

「ん~あ、それはね―』


イライラを隠せずに言葉を口に出す。勿論心の中で言えば通じるのだが今は疲労感でそんなこともしたくない。

そんなふうに対応してることに幼女も少しイラッとしたのか焦らすように少し間をあけた。しかしその後帰ってきたのは予想外の物だったのだ。


『せっかく童貞を卒業できる機会だったのに何でしなかったの?』

「...は?」


しばらく思考が停止する。どういうことだ...?あ、ルーナに馬乗りされたことか...って...


「なんで俺がルーナに馬乗りされたこと知ってんだよ!というかそもそもなんで童貞だって知ってんだ!おかしいだろ!」


つい声を荒げる。流石にハッとし扉の向こうを見るが誰もいないようだ。聞こえてなければいいけど...

そんなふうに若干焦っているとケラケラと笑い交じりのロリボイスが響いてきた。


『安心しなよ~今は外に声が聞こえないようにしてるから~』

「そ...そうか...」


それを聞いて安心する。が、それに加えて質問の回答に困った。

しかし、もう答えは決まっている。ただ、自信がないだけだ。だが、俺はゆっくりと口を開き、堂々と声を発した。


「ルーナは俺の仲間だからな。そういうことをするべきじゃないと思ってる。」

『...』


そう言い終えるとしばしの間沈黙が続いた。どことなく気まずい。が、そう思ったのは俺だけのようでしばらくすると納得したような感じで幼女が声を響かせてきた。


『そっかそっかぁ~!納得だよぉ~!じゃ、その疑問が知りたかっただけだから。じゃあね~!』

「―ちょ...まてっ!」


しかしすぐ切れてしまうロリボイス。聞きたいことも聞けずじまいか...ま、そこまで大切な質問じゃないんだけどね。

それにしても最後は少し焦ったように切ったな...

そんな疑問を持ちつつも眠気が戻り、そのまま爆睡してしまった。

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