第7話
高校を卒業するのにも、何ら感慨を抱くことは無かった。現実世界での関わりなど、皆無に等しくなっていた。留年せずに卒業式を迎えられれたこと自体、奇跡と言っても良い。逃げる様に実家を飛び出した私は–––安いアパートを借り、twitterで見つけた男性に結構人気らしい風俗店で働くことになった。面接で笑うこともなく、ボソボソと応答を繰り返した私が無事採用されたのは、ただ私が高卒の18才という若さを買ったんだろう。いつまで続くのか、なんてことは考えないようにした。
最初は順調だった。見知らぬ男と肌を重ねる。そこに戸惑いや畏怖を覚えたのも最初だけだった。それからは、まるでこれこそが自分の天職であるかのように、己の躰をただ投げ売るのみ。何にせよ、えっちは気持ちいいのだ。twitterに私が働く店へのリンクを貼ったら–––翌週から客が倍増し、フォロワーらしき男も訪ねてくるようになった。
幸せだった。遥か昔は只々抵抗感を持った、風俗店の素晴らしさ。ここは私の全てを満たしてくれる。お金も十分過ぎるほど手に入る。そして何より、えっちは楽しい。
こうして私は夜な夜な(偶には昼も)働くにつれ、twitterをする機会は減り、店が全ての生活を送っていた。その時には全てを忘れていた。
ある日のシフトだった。いつも通りに客と会い、ベッドで己を差し出すだけの行為。その相手は–––先輩だった。
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