「たまには休息が必要だな……」

兄:

「ふいー。仕事が一段落ついだぞい。明日からまた別の仕事に取り掛からんとだが、愚妹が学校から帰ってくるまで寝とくかー(独り言)」


兄:

「たまには優雅に、バックミュージックでも流しながら寝るか……なんかいい音源ないかな……(独り言)」



 ごそごそ。


兄:

「テレビ下の棚から、なんかよさげなのを発見。PCにセット。再生、と」



 ~(なんか睡眠によさげな音楽)~♪


兄:

「ほぉ、これは中々落ちつく音楽ではないか。寝れそう(確信)」


兄:

「では夜まで寝る。おやすみなさい~(独り言)



 ~(2時間後)~


私:

「ただいま帰りました」


兄:

「…………おかえり」


私:

「お兄様? どうされたのですか、居間のソファーで横になって。頭か体調でも悪いのですか?」


兄:

「寝れん」


私:

「はい?」


兄:

「仮眠を取ろうと思って横になったのだが、寝れん。気がつけば二時間ほど、ずっと天井だけを見つめている……」


私:

「そうですか。で、この音楽はなんです?」


兄:

「テレビの下の棚に入ってたから、ちょいと拝借した。リラックス効果のある、インスト系の音楽とかだろ?」


私:

「えっと、あのこれ、私が主に学習用に使ってるやつですが」


兄:

「学習用?」


私:

「そうですよ。このDVDの音源ぜんぶ、ベータ波を噴出してるとかで、集中力が増すんですよ」


兄:

「ちょっと待て。集中力が増す?」


私:

「はい。音楽自体はおだやかですが、集中力が増幅されて、むしろ頭が冴えてくるんです。結構勉強がはかどりますよ」


兄:

「つまり、どういうことだってばよ?」


私:

「つまり、目が覚めます。単純な人ほどよく利きます」


兄:

「……なん、だと……」


私:

「お兄様」


兄:

「……なん、だよ……」


私:

「ごきげんよう♪」


兄:

「この状況が如何にも楽しいと言わんばかりの貴様の血は何色だァーーッ!!」

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