エグっ! 怖っ!
作者さんが幾度も警告されているように、非常に読む人を選ぶ作品です。
残酷表現が詰まっていますので、苦手な方にはお勧めできません。
しかし、安易な扇情を狙って、そんな題材を取り上げた作品ではありませんでした。
濃密に構成された物語は、人間ドラマを、その悲劇を堪能したい人にも存分に応えてくれます。
女子高生・佐保を襲う理不尽な悪意。
そこに理由はあるのか? 彼女はただ耐えるしかないのか?
殺人と強姦、そして事件を他人事のゴシップとして消費する社会。
それらがバイオレンスホラーなら、裏でチラつくのは、人知を越えたオカルトな影。
そう、やはり主眼は正統なホラー!
驚くべき結末に向かい、いくつもの恐怖と謎が絡まっていきます。
この作品には、正統な続編「続・ここは安全地帯」も存在します。
2つを合わせて読んでこその要素も含まれますので、作品世界を気に入った方は、ぜひそちらも読み進めてみてください。
まだ第二章までしか読んでいませんが、長文の割に内容がすらすらと入ってきます。
高校生の爽やかな学園もの小説っぽく感じたのは最初だけで、ホラーの名に相応しく、性犯罪、暗黒の過去を抱えた少年、裏がありそうな友達など、禍々しい雰囲気が垣間見えます。そしてさらに生々しく毒々しい鬱な展開が待ち受けているかと推測されます。
何よりもすぐ身近で起こっているかもしれないような、リアリティがあります。そして自分の身内にも降り掛かるかもしれない恐怖を感じます。
長編小説で、読むのに時間がかかりますが、取りあえず途中まで読ませて頂きました。
最後まで拝読したいと思います。