第55話 物語と産業

 やっぱ最後に突っ込みたいのがここになる。ランキングは評価じゃない。ここになる。ランキングで語れる価値はせいぜい金銭的価値になる。おそらく私は誤解されてるけど、ランキング=作品の価値って考えじゃない。何故か?と言うとこれは多数決の結果に過ぎないから。前書いたと思う。良くいるタイプの人間と誤解されるだろうなと思うから。究極的なランキングの価値を私はお金儲けで考えている。多分ここだと思う。私が暗黙の了解で何かを伝えてないとするとここになる。お金と作品を結びつけるのはまた良くない部分。多くの人はドラゴンボールを求めてる部分がある。戦闘力の高さによって強さがすぐ分かる世界観。ゲームがこんな感じの部分があると思う。実際ドラゴンボールの数値はDB自体ですぐ終わりを迎えるけど。この根本を探ると人は思考停止をどこかで求めている。結局大衆層とトランプ層って話しにいきつく。そしてナチにまで。これを思考停止とセットで揃えると単純化になる。ここで大体分かってくると思う。数値による序列化ってすごく楽。ごちゃごちゃした考え無しに一発で序列化がされてその上下関係は明白にナル。IQ信仰とかもこの一つだと思う。


 ここでランキング否定に移るのが普通だと思う。私は移らない。それが私が無自覚に触れてなかった部分。金になる。価値じゃない。産業としてどう成立させるか?になる。創作の根本はお金儲けと関係ない。これが一番重要。要するに創作活動を長期にわたって維持させようとするからお金儲けが絡んでしまう。多くの人間は当たり前として存続を重視する。でも私は究極的には崩壊や破滅、死滅こそ創作の根源にあると見ている。基本的に生物と同じだから。多くの人間は芸術に普遍や永遠を求めてしまう傾向がある。ゲーテの時よとまれはそれになる。美を見た瞬間にファウストは時間を止めることで最高点の感情の永遠を求めたことになる。芸術と創作はきってもきりはせない同一のものだと私は思ってる。でも実際は芸術とは感情にあり創る事とは別なんじゃないか?と私は思う部分がある。芸術に対する商業主義の批判と永遠を求める芸術は明らかに矛盾している。大衆レベルでおそらくこれが消化されて無いからだと見て。そして多くの問題はこれが引き起こしてると見ている。漫画で芸術って大げさだなと思うかもしれないけど。物語を作る人間にとってなろう系のはちゃめちゃさはとんでもない。もはやあれはギャグ漫画のような論法に近い。物語が漫画の絶対の物じゃない良い例として。なろう系は主観的に見るとアホみたいなものが多いけど。客観的に見るとあれはすごい。ルールに縛られてる人間はそれを逸脱すると力が発揮できない。


 なろう系のようなイエローゾーンを通過してしまったものは商業的に存続できない。漫画物語が芸術的に追求するべきじゃないのは産業的基盤を壊してしまうから。普段かっちりとリアリズムに縛られて表に出てこない創造の悪魔を暴走させるから。彼らは縛り付けておかないといけない。芸術と言うのはこれをやらないどんどん逸脱していく。大きな視点で物語全体の芸術とはおそらく文芸とは異なる。ただ芥川もその気があるけど、彼は物語全般を見ていたところがあって、どっちかと言えば創造性を重視してる所を私は感じてしまう。本当は文芸の根本にも物語の悪魔は居る。強く商業的に結びついた漫画物語はその暴走を決して許さない。文芸はリアリズムによって暴走をくいとめていて、漫画物語はお金によってそれを縛り付けている。お金儲けの根本がどこにあるか?と言えば読者を楽しませようとするサービスにある。ランキングは実にこれを合理的にやってのける。


 次の批判として、読者の想定に縛られた創作は新しいものを生み出せないのではないか?これについてはそれほど問題じゃない。読者が飽きてるというのも想定できる。それにあわせても問題は無い。どーせ常に新しいものを創造と使用としても作れはし無い。それは読者が単純化したものを好む傾向があるからだ。それはパターンの少なさを意味する。作るのは簡単だが受けるのは難しい。これが漫画物語の土台になる。作るものが簡単なほど飽和状態になりやすい。だからって複雑なものを見てくれない。こういうのをなんと言うのだろうか。板ばさみなんだろうな。ここに商業が絡んでくる。お金にならない外れを金銭と無関係に排除できたらどうか?ここがネット小説のランキングの肝になる。作家すべてを抱えたら速攻で潰れてしまうシステム。投稿作家の人が見たら怒るかもしれないけど、これは生物が高エントロピーを排出する事で低エントロピー状態を維持していくのに似ていて。選ばれない作家はウンコだと言える。漫画物語を芸術的な創造性を強めて商業的に維持させるための有機的システムだと見てる。


 ここに一般の入り込む余地など無い。ただ物語りはリアリズムが0と1で成立するわけじゃない。あくまで匙加減で成立する。だから共存を目指して別の評価システムでリアリズム重視の作品を拾い上げるべしと見ている。簡単に言えば物語全体としてはラノベに特化するってのは片手落ちなんだ。ただ商業的に今必要とされてるのがオタク向けならそれを主軸にしたほうが良いとかいてるだけで。便宜上文芸などと言う形で分けたけど、私はどちらをサイトの主軸にするか?であって探すのに効率を求めるだけで、無理に排除する必要な無いと思ってる。寄生と言う言い方が印象を悪くしたかもしれないけど実質そうだよねって意味以外は特にあまり考えて無い。

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