ホラー、というより幻想小説、と表現したくなる耽美で心地の良い物語でした。
人形に魅了されていく男の物語。静かに淡々と書かれている文章が春の夜の幻想的な出来事を際立たせている。いつの間にか、彼はあちらの住人になってしまった感がある。ラストに訪れる恐怖の余韻を楽しむには何かが足りない。何だろう。
桜の描き方や老人の衣服、クラウンの動きなど、決して派手ではないけれど、一つ一つに惹き付けられました。