第一部~天に送る風~
第一章「花乙女」
時と場所はあらあらしい中世前期の田舎地方。
男女関係なく財を有し、国の土地と財産を巡って争い合う、野蛮な時代。
隣国との小競り合いも絶えない、群雄割拠に突入していた。
「王よ、千年王国のみ旗のもと、我らは戦いまするぞ!」
アドラシオーの国は国王が、一代で作り上げた小国の一つである。
「唯一神の鐘よ、死者たちの御霊を清めたまえ!」
祈り捧げ、戦い続ける男には、妻と子がいた。
「千年王国よ成れ! とこしえに、この秩序なき世に、新たな時代を!」
世は乱世。
商人たちは戦場で数々の嗜好品を生み出し、各地を占領していった。
奇襲法、戦略を売るものは国の参謀となり、また油に火を灯した火矢を発明するに始まり、数々の武器弾薬を開発し暗躍するものもいた。
「王よ、ご所望の品、このようになりましたぞ……」
そう言って名誉貴族の名を欲しいままにし、各地のサロンに出入りしては、「唯一神」のおかげであると、腹を抱えていた、報復はなされた。
彼ら名誉貴族の目的は、王家を滅ぼし、その土地と財を奪い、失脚させることだった。
時代は確実に「唯一神」の神話のもとになり始めていた。
教会は多くの信者を集めてはいたが、その実土着のまじないや、魔力への信仰を失わぬものもまだまだいた。
それをひっくり返したのが現、アドラシオーの国王である。
名誉貴族たちはそんな王をほうってはおけず、不気味に思い、または忠誠という名の偽りを述べてとり入ろうとした。
アドラシオーはのちのちまで名を残し、暗黒の時代を乗り切ろうとしていた。
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