もうすぐプロローグ終わります


 その背の青い鳥は、彼ら二人が見えなくなるまで見送っていた。


「なんてった? あの鳥さ」


 面白そうにルイをつついて、尋ねるリッキー。


「オレにわかるわけないだろ。リッキーじゃあるまいし」


 ルイが頭をふって言うので、リッキーは茶目っ気たっぷりに言った。


「きっと、子々孫々までルイの親切を語り継ぐって言ってたのさ」


「なんだ? おまえが巣にかえしたんじゃないか」


「見つけたのは君だよ。ボクじゃあ、ちょっと見つけられなかったさ」


 ルイは顔をなでおろした。


 まさか、こんなことを言われるハメになるとは。


 二人、ぶらぶらし、川べりで冷えた脚で岩山をぺたぺた歩いた。


 もう、帰るか……などと言っているうちに、陽が暮れた。


「ぎゃあ! まった、親父に叱られる!!」


 ルイが夕陽に真っ赤に染まった顔を、あわあわさせながら言うので、リッキーはほんの少し寂しそうに笑った。


「叱られるだけなら、マシってもんさ」

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