ロリコンと会計部長
翌日の放課後。
昨日と同じように、弥生子さんはA組で学級委員長の仕事をしている。そして私はというと、相変わらずやるべき仕事もよく分からず、運営委員会室の自分の席にもたれ掛かってボーっとしていた。弥生子さんが来るまでには時間があるので、私は立ち上がってトイレで用を済ませてくる。
◇
数分後に私がトイレから戻ってきても、相変わらず運営委員会室には誰もきていないようだった。副委員長なんて役職に選ばれたからには、きっと目まぐるしい日々が待ち受けているのだろうと思ったが、これでは少々拍子抜けである。
人事がある程度固まるまでは運営委員会は本格稼動しないらしいが、ここまで暇だと、自分がただ仕事のない暇な奴なのか、仕事を見つけられない無能な奴なのかさえ分からなくなってくる。
私は後者の可能性を払拭するため、掃除用具入れへと向かった。
暇があれば掃除するというのが、できる人間の基本のはずだ。
そんなことを思いながら、掃除用具入れを開けようとするが――。
(あれ? おかしいな? ここでは掃除用具入れにまで鍵をかけるのか?)
どういうことか、掃除用具入れの扉が開かない。
「なんだよもう……まったく……」
せっかくやろうとした仕事を失い、がっくりとした気分で私は自分の机に戻る。その姿はまるで勇気をもってハローワークにでかけたが、現実の壁にぶつかって家に帰るニートである。
しょうがないので、昨日と同じように机に向かって、両手を伸ばしながらうつ伏せになろうとしていた私だったが、ひまひまソングを口ずさむ前に、ふと疑問が浮かんだ。
(ちょっと待てよ……。おい、あの掃除用具入れ……鍵穴なんてついていなかったよな……?)
そう思った瞬間、背筋がゾッとした。
これはちょっとしたホラーである。
細かいことなのだが、気になりだすと止まらない。
私は恐る恐る、慎重に後ろを振り返った。
少し離れて見る掃除用具入れには、やはり鍵穴らしいものはついていない。では、あの掃除用具入れのたてつけが悪いのだろうか? いや、私の記憶が確かなら、弥生子さんと一緒に掃除した時にはなんの問題もなくスムーズに開閉していた。
ということは……?
私は立ち上がり、注意深く掃除用具入れに近づく。
すると突然――。
『コトッ』
と、なにか掃除用具入れの中から音が聞こえた。
私は猫のようにビクリと反応し、目を見開いてしばらく様子を見る。時間が経ってもそれ以上なにも起こらないことを悟ると、私は再びそろそろと掃除用具入れに近づいた。そっと手を伸ばし、ノックしてみる。
『ゴンゴンッ』
薄い金属を叩く音が響く。
がしかし、やはりなんの反応もない。
私は再び掃除用具入れの取っ手を掴んで引いてみたが、やはり開かない。もう少しだけ力を入れて引いてみると、何やら少しだけ鈍い感じで開きそうな手応えがあった。
(ん? なんだこの手応えは……?)
私は更に力を入れて、掃除用具入れの扉を引っ張ってみる。
なんとか開きそうだな。
そう思った瞬間――――扉が開くと共に、何かがズルッと掃除用具入れの中から、うつぶせになって飛び出してきた。
「うおっっ!」
驚きのあまり、私は声を発する。
掃除用具入れから引きずりだされた『それ』は、前のめりになって床の上に伏せている。
「……こ……子供……? 女の子?」
恐らく、内側から扉を引っ張っていたところを、私が無理やり扉を開いたので、引きずり出されたのだろう。うつ伏せになった子供はピクリとも動かない。子供が掃除用具入れの中に入っていたことや、その子供が倒れたま動かないことに私は困惑する。
「おいっ! 大丈夫かっ? まさか人が入っているとは思わなかったんだ。人と入るって字が似ているからしょうがないだろっ? なぁ、大丈夫かっ!」
困惑した私が意味不明な声かけをしながら肩を揺すると、子供は左手で。
『バシッ』
私の手を掴んだ。
そして顔を上げて、横目で私を見ながら言った。
「……やりおるな……」
偉そうな口調で呟くその様子に呆然としていると、子供は自力で立ち上がって服についた埃を払いだした。
よく見ると子供は、ブレザータイプの制服を着ている。うちの女子生徒の制服のようにも見えるが、ひょっとして付属中学校や付属小学校の制服もデザインが似ているのだろうか? スカートはかなり短めにしてある。
私は子供の容姿を観察してみた。
髪型は長さの足りないツインテール、明るい栗色の髪が特徴的だ。顔つきは不機嫌そうであるにも関わらず、童顔でプニプニとした可愛いらしさに溢れており、少しだけ目尻がつり上がっていることから、明朗且つ、いたずら好きな印象を受ける。身長や声の雰囲気から察するに、小学生の高学年くらいだろうか?
「きみは……誰なんだ?」
「ふふん。
「ふむ。それじゃ子依ちゃん、掃除用具入れの中でなにをしてたの?」
「ふんっ。女に恥をかかすような男には教てやらん」
随分マセたことを言う子だな。
私は優しい口調を心がけて質問を続けた。
「それじゃ、どうやって鍵のかかった部屋に忍び込んだんだい?」
「鍵はおぬしが開けただろうが」
「へっ?」
ということは、私がトイレに入っている間に忍び込んだということだろうか?
「私が鍵を開けるのを見ていたのかい?」
「しっかり見させてもらった。挿入し、こじ開け、抜きとるまでじっくりとな」
なんだこの言い回しは……。
子依ちゃんは不適な笑みを浮かべたままこちらを見上げている。
「そうか、気づかなかったよ。それじゃどこから来たの? ここは高校だよ?」
「ここが高校であることくらい言われんでも分かっておる。子依ちゃんがどこからきたかという質問については、ちと答えるのが難しいな」
「難しい? どういうことなの?」
「では、おぬしは自分がどこからやってきて、何者であり、どこへ行く存在なのかを説明できるのか?」
(うわぁ……めんどくさそうな子だなぁ……)
内心そう思うが、私は子依ちゃんのポール・ゴーギャン風の台詞を真に受けることなく、質問していくことにした。
「うん、ちょっと難しい質問だったよね。でもね、この部屋って勝手に入っちゃいけないんだ。もうすぐ背の高いおねぇさんが来ると思うから、それまで待っててくれるかな?」
「なんじゃ、騙して誰かに突き出そうとしておるのか?」
「そうじゃなくってさ、お兄さんじゃどうすればいいのか分からないんだよ」
「どうすればいいか分からない? 邪魔者がいない部屋で男と女が2人きりじゃ。ならばやることは決まっておろう……?」
そういうと子依ちゃんは、私の足元に擦り寄ってきた。
やっぱりおかしいぞこの子。
私は擦り寄る子依ちゃんの頭頂を右手でしっかりと押さえ、捻るようにしてくるりと向きを変えさせた。そして、後頭部を右手で押しながら子依ちゃんを前進させる。
「はいはい、とりあえずその席に座って、おとなしく背の高いおねぇさんが来るまで待っていようね」
「ぬぅ。なんじゃ、男の癖に意気地のない」
「意気地ってのは意思を貫く気概のことなの」
「ならば根性なしか」
「それも意気地と同じようなもの」
「性欲なし」
「べっ……別に普段ない訳ではないぞ。今はないんだ」
なにを答えているんだ私は。
そんな私の声を無視するように、子依ちゃんはひょこっと私の席に座った。
「まったく……そこで大人しくしているんだよ」
私は椅子に座った子依ちゃんの頭を、右手でポンポンと撫でる。
「ふゅっ」
頭を撫でられた子依ちゃんは、なんだか可愛らしい声を発した。
子依ちゃんはジト目で私を見ている。
私はやれやれといった仕草をしながら子依ちゃんの視線を無視し、掃除用具入れに向かい、中からほうきを取り出す。私がほうきで床を掃こうとすると、後方で子依ちゃんがわがままを言い出した。
「子依ちゃんは、あっちの席がいいのう」
子依ちゃんが指しているのは弥生子さんの席だ。
「あそこはお兄さんの席じゃないから駄目」
「ん? なんじゃ、するとここはおぬしの席か?」
「そうだよ」
「なるほどな。ではおぬしが副委員長という訳か」
「そうだよ……って、えっ? そこが副委員長の席だって分かるのかい?」
「ふふふ。子依ちゃんはなんでも知っておるのだ」
私は今まで人の上に立つような仕事を一切したことがないのだが、ここが副委員長の席というのは一般常識なのだろうか? 私は舐められないように平然とした口調で返した。
「そうかい。それじゃあ、子依ちゃんは他にどんなことを知ってるんだい?」
「おぬしのことも大体分かるぞ」
「はははっ、それは凄いねぇ。それじゃあ子依ちゃんは、お兄さんの何を知っているんだい?」
「うむ。ずばりおぬしはロリコンであろう?」
私の頭の左上辺りに、
「なっ……なぜっ、きみはなぜそれ(あだ名)を知っているんだ? 誰からそれ(あだ名)を聞いた?」
「な、なんとっ! まさか本当にロリコンであったとは……。恐るべし子依ちゃん、恐るべし女の勘……」
子依ちゃんは少し興奮した様子で、口角をピクピクと歪めている。
私は子依ちゃんの反応を見て、自分が激しく勘違いしてしまったことを悟った。
(ぐっはぁあぁぁぁぁっ! 失敗したあぁぁぁぁっ!)
頭を抱えると同時に、私は手元にあったほうきを落としてしまう。
咄嗟にほうきをほうきしてしまうほどに、私は焦っていたのだ。
「そっ、それは違っていてだなっ! いや、違わないが違うんだっ!」
私は両手を斜め上にあげて、オーバーリアクションであたふたと余裕の無い表情のまま、子依ちゃんに詰め寄る。
「おおう! そして迫りくる乙女のピンチか……。ふふふっ……」
まんざらでもない表情でそう言うと、子依ちゃんは胸の辺りに両手をクロスして恥ずかしそうなポーズを取る。
その時だった――。
「ねぇ、何してるの? 剋近さん」
突如、室内に冷静な声が響いた。
入り口に目を向けると、弥生子さんと観堺の2人が立っていた。
「……あ……」
私が呆けていると、弥生子さんは子依ちゃんに向かって尋ねた。
「子依……何してるの?」
恥ずかしそうなポーズのまま振り向くと、子依ちゃんは言った。
「……乙女の……ピンチ……」
顔を赤く染めてそういう子依ちゃんを見て、観堺が叫ぶ。
「河芝ぁぁあああああっ!」
鬼だ。
鬼が来るっ!
猛ダッシュで迫りくる観堺に恐怖を抱きながらも、私は必死で弁明しようとする。
「まてまてっ、違うっ! 観堺、私は観堺を待っていたんだ。風紀部長である観堺を待っていたんだぞっ!」
「事後に自首でもする気だったのかっ? 悪行と分かっていて風紀を乱そうとは、断じて許さんっ!」
あたふたする私に、観堺は問答無用のフライングラリアットをお見舞いした。
直撃した一瞬――――私と観堺は共に宙を舞う。
武道が必修化されたとはいえ、そう簡単に受身などとれるものか。強かに背中を叩きつけられた私は、息を詰まらせ声を漏らす。
「ぐはっっ!」
すかさず観堺はサイドポジションから右腕をとり、腕ひしぎ十字固めに移行する。私も極められてたまるかと左手で右手首を持って防ごうとするが――あっさり左手のロックは切られてしまった。
左手のロックを切られてしまった理由は、力負けでも汗で滑ったからでもない。
ひらりと舞った観堺のスカートの中に、気をとられてしまったからである。
(赤いブルマ……! この時代にっ!)
痛みで声が出る。
「ぎゃあああぁぁぁぁっっっ! 参ったっっ! ギブアップだ観堺っ!」
(――観堺はバレー部なのか?)
叫びながらも私は、チラリと見えたブルマに、観堺という名前と一緒に女子バレー部と書いてあったことから、観堺はバレー部に所属しているようだ、などと冷静に考察していた。
「うるさいっ! 初対面の子にまで手を出すとは何事だ! この恥知らずめっ!」
「おいっ、までとはなんだっ! 痛たたたたっ! 私が他にもそんなことをしたかっ?」
(――観堺のやつ、細身なのに意外と太ももはむっちりしているな)
痛がりながらも私は細身に見えた観堺の体にも、しっかりと肉が付いていることを分析、把握していた。マーベラス。
「他にもってことは、これはやっぱり黒なんじゃないかっ!」
「痛たたっ違うって! 黒じゃなくって赤……じゃない! 本当に痛いからやめろってっ!」
(ぐぅっ……やばいっ! マジで痛いぞっ!)
割と本当に余裕が持てない痛さになってきて、私は顔を歪めて声を出す。
私が本当に痛がると、横から弥生子さんがすぐさま声を上げた。
「一美、落ちついて。また子依のいたずらでしょ」
弥生子さんの言葉を聞くと、観堺は私の右腕に込めていた力を僅かに緩めた。
「……あ、そうなのか?」
観堺は私の右肘を決めたまま子依ちゃんの方を向いて尋ねる。
それまで様子を見ていた子依ちゃんは、ひょこっと席から立って答えた。
「そこの副委員長なら、多分子依ちゃんを襲おうとしていた訳ではないぞ。多分じゃが。多分」
子依ちゃんがそう言うと、観堺はなんだか納得のいかないような表情で一緒に横になっている私の顔を覗き込む。
「だから違うと言っただろっ!」
「じゃあなぜ私に自首しようとしていた?」
「自首じゃない! そこの子供が運営委員会室に忍び込んでいたから、風紀部長のきみに身柄を渡そうとしていたんだろっ!」
「子供……?」
そう言って観堺は子依ちゃんを見る。
「……ふふっ、ははははっ」
観堺は軽く笑うと、私の右腕を挟んでいた太ももの力を緩めて立ち上がった。私の右腕を包んでいたぬくもりが消えて、代わりに熱と湿度を奪う空気の流れを感じる。
「子供なぁ……」
そう言いながら、観堺は子依ちゃんを見下ろした。
それにしてもこの2人、なかなか大した身長差である。
「なんじゃ一美。子依ちゃんは別に子供扱いされることを嫌ってはおらんぞ。広い視野で見れば、これは特権みたいなものじゃ」
子依ちゃんは観堺を見上げながら向かって、なんだか解釈に困るようなことを言っている。
私は右腕のダメージを確認しながら抗議した。
「痛たたっ……。観堺、きみは喧嘩腰過ぎるぞっ! 人の話を聞けっ!」
「あの状況だと、普通はきみを疑うだろ?」
「ぐぬぬ……」
「それで、河芝。本当にいたずらだったのか?」
「ああ、私が最初に見つけた時は、確かにいたずらっぽい感じのことをしていたね」
「本当か?」
観堺は次に子依ちゃんの方を向いて尋ねた。
「そうじゃなぁ、話すと少し長くなるが……」
そう言って子依ちゃんは、弥生子さんと観堺が来るまでの間に何があったのかを説明し始めた。
子依ちゃんの説明は節々に、無理やり引き倒されて……とか、頭を抑えて力ずくで……とか、変な言い回しを混ぜてくるので、その都度私は観堺に睨まれることになったが、弥生子さんは慣れているのか、冷静に話の内容を理解しようとしていた。
「……なるほどね。私達が子依のことをなかなか来ないと心配している頃に、掃除用具入れから登場しようとしていたのね」
「うむ。流石弥生子、察しがいいのう」
悪びれる様子もなくそう言う子依ちゃんを見て、私はげんなりする。
(まったく、そういうことだったのか……。いや、待てよ)
私は思ったことを口に出す。
「ちょっと待った。子依ちゃんがなかなか来ないってどういうことなんだ? 子依ちゃんは今日ここに来る予定だったの?」
「ああ、私から来るように伝えた」
そう観堺が答えた。
「どういうことなんだ? わざわざこんな小さな子を運営委員会室に呼ぶ理由って一体なんなんだ?」
すると今度は、弥生子さんが答えた。
「剋近さん、子依は『同級生』よ。高校1年生」
「……えっ?」
私は弥生子さんの言葉の意味を理解するため、子依ちゃんの顔をまじまじと見つめた。
明るい栗色の髪の毛に、短めのツインテール。
いたずら好きそうな目に、プニプニとした肌感。
こちらの視線に気づいて不敵な笑みを浮かべてはいるが、シークレットブーツを履いて背伸びをしても、ようやく中学生に見えるかどうかといったところだ。
「そっ……それで、一体なんのために呼んだの?」
「人事のためよ」
「……えっ?」
私は再び子依ちゃんの顔を見つめる。
私の時間差2度見をどう解釈したのか、一層のことこちらに向けて不適な笑みを強く浮かべているようだが、やはり子供である。
弥生子さんは私を紹介しつつ、子依ちゃんを促した。
「彼は私と同じA組で、副委員長の河芝剋近さんよ。子依も自己紹介なさい」
「ん、そうか。わしは
かみみや? この名前には何か聞き覚えがあるぞ。……確か、昨日2人が話していた優秀な会計部長候補だったと思う。昨日私が予想していた厳格そうなイメージと、目の前の子依ちゃんはかけ離れていた。
「それじゃあ子依、また私と一緒にやってくれる?」
また? 前にも経験があるのだろうか?
2人の関係をあれこれ考察していると、子依ちゃんが返事をした。
「そうじゃなぁ……本当は受けるか断るかを決めかねておったのじゃが……」
チラリと私の方を見ると、子依ちゃんは何故か少しばかり頬を赤らめ、不敵な笑みを浮かべながらこう言った。
「うむ。このロリコン兄さんが面白そうだから、手伝ってやろう」
「……なっ……」
「ロリコン?」
そう呟きながら、弥生子さんが私の方を見る。
まずい。
私は勘違いされないよう、猛烈な勢いで弁明した。
「ちっ、違うっ、勘違いしないでくれっ! 確かに私はロリこん(というあだ名)だが、決して少女を襲うようなタイプのロリコン(という性癖)にはあらずだっ!」
「本当にロリコンだったのか……」
そう呟きながら、観堺がジト目で私を見る。
「違う! ロリこん(というあだ名)なのは間違いないのだが、そうじゃなくってだなっ!」
状況は悪化しつつある。
これ以上変に言い訳していては、弥生子さんにまで致命的な勘違いをされかねないだろう。よし……ここは白人ビジネスマン張りに別の話題にすり替えてやり過ごすんだっ! 私は勢い良く別の話題を持ち出した。
「そういえば観堺っ!」
「なんだ?」
「きみはバレー部なのかい?」
「ん……? 確かに今日はバレー部へ行くが、どうしてきみがそれを知っている?」
「いやさぁ、さっき、きみのブルマのこの辺にバレー部って……」
そこまで言って、私は本日何度目かになる失敗を犯していることに気がついた。
観堺は私の顔を見つめながら、ブルマの如く顔を赤く染める。
「こんのっ……ど変態がああぁぁぁっっ!」
観堺渾身の、スクリュー式ドロップキックが炸裂した。
私は素早く防御姿勢を取る。
顔面はクロスガード出来たものの、体重の乗った素晴らしいドロップキックの勢いで私は上半身から後方へと吹っ飛ばされた。
視界の端で、再び赤いブルマとの再開を果たす。
「ぐはっっ!」
その一瞬――――私と観堺は再び宙を舞っていた。
これで運営委員会は4人になった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます