第34話 吹き荒れる風
その頃、頼邑と里の者たちが動いていたときに城でも新たな風が吹き荒れていた。長老の首を持ち帰ることができなかったことに大殿は怒りを露わにしていた。
あれから、伝説の香炉も見つからず、大殿から信用を失いかけている。家来は顔が強張り、ひたすら頭を下げるしかなかった。
そこへ、バタバタと足音を立てながら一言、
「大殿!」
と、声が聞こえた。
「ただいま、急使が参り、香炉を見つけたとのこと。急ぎ、確かめてほしいことにござりまする!」
眉間に皺を寄せしていた大殿が、
「急ぎ、わしの前に持ってこい」
と、家来に命じた。
顔を伏せっていた家来は、安堵したのか面を上げ、早々と先ほど来た家来の後について行った。それは、まさに新たな風が吹き荒れようとしていた。
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