探偵は厄介事を好む
明神は相変わらず、客の来ない事務所のソファで居眠りをしていた。
「またぁ、居眠りをしているぅ」
以前と変わった事と言えば、お節介な仔猫が増えた程度だ。
「少しでも仕事を貰えるようにビラを撒くとかした方が良いと思うよぉ」
真新しい赤いランドセルを背負った少女は明神を前に怒った顔をしている。
「うるせぇな。これでも仕事はしているんだぜ。昨日だって、盗聴器探しの仕事をやったしな。仕事なんて三日に一度あればいいんだよ。探偵なんて仕事は暇な方が世の中が平穏だって事なんだしよぉ」
明神はサボっている言い訳を適当に答える。
「ほんとうにもう!大家さんがまた、怒ってくるよ」
「ババァの事はどうでも良いよ。それより学校はどうだ?」
明神はいつの間にか保護者という形になってしまった。
「楽しいよ。明神に買って貰ったランドセルもピカピカだし」
「ちっ・・・気にするな。とにかく子どもは勉強と遊びだけしていれば良いんだよ。俺の事を構うな」
明神はそう言うと、再び、寝ようとする。
コンコン
扉がノックされた。
「あれ?お客さんじゃない?」
お節介な仔猫アリサが扉へと近付く。
「不用意に扉に近付くなよ」
明神はソファから上半身を起こして、そう告げる。いきなりドア越しに撃たれるなんて事は万が一でしかあり得ないが、無いとも限らない。不用意にドアの前に立たない事だ。
「はーい」
アリサは言い付け通りにドアの前には立たずにドアの横から外に声を掛ける。
「どちら様ですか?」
「あ、あの・・・私、朝比奈玲於奈と申します」
女の声がドア越しに聞こえた。
「どのようなご用件でしょうか?」
アリサは続けて相手に尋ねる。
「あの・・・依頼をしたくて参りました」
依頼人。アリサは明神を見た。彼は静かに首を縦に振る。扉の鍵が開けられた。
ガチャリとアルミサッシの安っぽい扉が開く。そこに立って居たのはブランド物のスーツに身を包んだ若い女性だ。眼鏡を掛け、どこか理知的な雰囲気のある女性であった。
「初めまして。弁護士の朝比奈です」
彼女は部屋の中へと三歩、進んでから、名刺を出した。その間に明神はソファから立ち上がり、彼女へと歩み寄り、その名刺を受け取る。
「弁護士・・・何かお探しですか?」
弁護士からの依頼は珍しくない。ただ、その依頼の多くは厄介な案件が多い。そして、弁護士って奴は思ったよりも金払いは良くない。そういう意味においてはあまり美味しくない仕事とも言える。
「実は人を探しておりまして」
人探し。弁護士からの依頼で多いものの一つだ。
借金、DV、犯罪。
何かから逃げ出す奴は多い。そこに訴訟が絡めば、弁護士はその権限を用いて、相手を探し出す事が出来る。ただ、実際は失踪者を探し出す事はそんな簡単な事では無い。本気で失踪する輩は住民票に手を付けないし、下手をすれば戸籍だって、他人の戸籍を買い取っている場合だってある。そうなれば、弁護士の権限を用いても探し出すのは困難である。そこで探偵の登場となる。
弁護士は人を探すのが仕事じゃない。他の案件なども含めれば、そのような雑務に時間を割いていたら、彼ら自身が食えなくなってしまう。そこで彼らはそのような雑務を探偵に依頼する。
「人探しね・・・まぁ、掛けてくれ」
明神は相手が弁護士などの場合、あまり初見で仕事を請けない。弁護士などからすれば、探偵など下っ端に過ぎない。使い捨て感覚で依頼する輩も多いからだ。
ソファに掛けた朝比奈は肩から提げていたブランド物の鞄から資料を取り出す。
「対象者はこの女性です」
資料に添付された数枚の写真から相手がまだ、若い女性だと解る。
「若いな・・・探す理由は聞かせて貰えるんだろうな?」
明神は鋭い視線で朝比奈を見る。
「彼女は高額な借金をしたまま、失踪してまして・・・その金融機関が訴訟を起こす事になり、彼女の身元を捜索する必要がありまして」
明神はそれを聞いた瞬間、鋭い視線を更にギラつかせた。
「へぇ・・・高額な借金ね・・・。今時、そんな事で失踪する輩が居るのかい?」
明神の言葉に朝比奈は抗弁する。
「借金返済能力が無ければ、当然、失踪もします。若い人なら特に」
「ふん・・・今時、返済能力が無かったら、すぐに自己破産を掛けるよ。仮に遊興費で消えたので帳消しにならないとなっても返済能力が無い事実の前にはどうしようも無いだろう?まさかと思うが、あんたに依頼した金融機関はそいつの身体でも売らせて、返済でも求める気かな?」
明神の言葉に朝比奈が少し動揺した表情になる。
「そ、そのような事はありません。詳細は申し上げられませんが私に依頼した金融機関もちゃんとした会社ですし」
「ふん・・・なるほど。ちゃんとした会社ね。じゃあ・・・別に相手の身元が解らなくても、訴訟は起こせば良いじゃないか。どうせ・・・返済は困難だと解っているんだろ?」
「なっ・・・何を言っているんですか?」
朝比奈は怒りを堪えた感じだった。
「悪いが・・・俺は相手が弁護士さんとかだと、初見の仕事は請けないんだ。悪いが・・・帰ってくれ」
明神がそう告げると、朝比奈は手早く資料を鞄に押し込み、早足で事務所から出て行った。
「お仕事、請けなくてよかったの?」
アリスが不安そうに尋ねる。
「あぁ・・・多分、ろくでもない仕事だ。むしろ・・・別に稼げるかもしれないしな」
明神はニヤリと笑った。
翌日、明神はアリスが学校へ行くのを見送ってから、事務所を出た。そして、彼女が帰って来る夕方に事務所に戻る。それを数日、繰り返していた。
「ようやく見付けた」
明神は夕暮れに赤く染まるアパートの一室で一人の女性を前にしていた。
怯えるような視線で明神を見る若い女性。それは朝比奈が持っていた資料の女性であった。
「日南・・・沙織さんだね?」
明神は静かに問い掛ける。
「な、なぜ・・・あの人達の仲間ですか?」
女はその場にへたり込むように崩れ落ちる。
「違うな。正直に言えば、君が言うあの人達については俺は一切、解らない。軽く調べてみたが・・・情報が少な過ぎて、解らなかった。ただ、君の資料だけは朝比奈とか言う女弁護士の資料を記憶したので、そこから君を探し出した。それだけだ。なかなか苦労させて貰ったが・・・所詮は20代そこそこの持ち金も少ない女性が隠れるなんて・・・そうは簡単じゃない」
「あなたは一体?」
「俺は探偵の明神だ。人探しを依頼されたが・・・それは断った。事情を説明してくれ。場合によってはあんたを助けてやっても良い。そうじゃなくても、あんたをあいつらに売ったりはしない」
明神は優しく声を掛けた。
「ほ、本当ですか?」
沙織は怯えた表情から一転して、すがるように明神に近付く。
沙織は小一時間ほど、自分や自分に起きている事について、明神に説明をした。
「なるほどねぇ・・・政治家と企業の癒着を経理をしているあんたが気付いてしまったから追われているのね。まぁ、隠したい気持ちも解るが・・・そんなのは大抵、口止め料を払って終わりだろ?まぁ・・・何故かあんたが逃げちゃったから、交渉する間が無かったのかも知れないが」
明神は呆れたように答える。
「で、でも・・・私の上司はそれを報告した途端、激昂して・・・殺そうとしたんですよ?」
明神は更に呆れたように笑った。
「確かに・・・それを隠すように命じられたその上司個人の立場や心情から察すれば、部下にいきなりそれを突っ込まれて、感情的になった末の犯行だろう?もっと上からすれば、むしろ、殺人事件まで起こして事態を大きくした結果、世間に明らかになってしまった時のダメージを考えるよ。むしろ、その上司は今頃、罰を受けているんじゃない?」
「そ、そうでしょうか・・・」
「まぁ・・・な。俺は和解して、金を素直に受け取れば良いと思うよ。まぁ、不安なら・・・和解金の幾何かで護衛がてら、一緒に行ってやっても良いよ」
「本当ですか?」
「あぁ」
明神はこの時、あまり金にならないが、ここまでの費用とそれなりの利益ぐらいにはなるだろうと軽く考えていた。
後日、明神は朝比奈を通じて、沙織の事を交渉した。朝比奈は明神の事を訝しんだが、沙織の事に関しては二つ返事で了承した。
交渉の場所は沙織の勤めている企業が所有するビルの一室であった。
当日、明神は拳銃を腹の前でベルトに挿し込んだ。それが見えないようにジャケットの前をしっかりと閉じる。
「お仕事?」
登校前のアリサが拳銃を触る明神を心配そうに見上げる。
「あぁ・・・お前が帰って来るまでには帰る」
明神はそう告げると、事務所の扉を開いた。
交渉の相手は与党の大物政治家と癒着する防衛産業の一角を担う大手企業だ。
これだけの大企業なら、あまり下手な手を打って来ないだろう。明神はそんな気持ちと裏腹に、抱えている内容は国防にも根深い問題にも発展しそうな内容である事が気掛かりであった。要は単純に防衛に関して、金が動いているだけじゃない。情報から権威まで、多くが絡み付いた案件だ。沙織が不用意に知ってしまった情報は個人が抱え込むには厄介過ぎる事であった。
まぁ、そもそも、そんな大事をネットワーク上でやり取りしている大企業の体質に大きな問題があるとは思うが。明神は自業自得だと思いつつも、自分も口止め料を含めて、多く貰おうと思っていた。
都内の一等地にあるオフィスビルはかなりの高層であるにも関わらず、まだ、新築でオフィスの明け渡しが済んでいないようで、ガランとしていた。
沙織も初めて来る場所のようで、明神の背後に隠れて、不安そうにしている。前を歩くのは朝比奈と沙織の上司である工藤という中年男性。それと紹介なされていない男が二人。指摘はしなかったが、体つきからして・・・鍛え抜かれた身体を黒いスーツの下に隠している。
「どこまで?」
明神が尋ねる。
「最上階です。大会議室がそこにありますので・・・そこで」
「大会議室・・・へぇ」
エレベーターの中は息苦しかった。明神はいつでも拳銃が抜けるように右手を腹の前に置いている。やるとすれば・・・ここが一番、危ないからだ。
エレベーターは数十秒で最上階に到着した。
「さすが最新鋭のエレベーターだな」
明神は感心したように呟く。
最上階には会議室などが配置されているようで、その一室に一行は入る。
まるで展望室のように周囲が見渡される大部屋に円卓のようにリング状になった机が並べられている。
「大会議室っぽいな」
明神は部屋を見渡す。部屋は100畳ぐらいある。だが、机と椅子、AV機器ぐらいしか置かれていない。
「それでは・・・早速、書面の説明をさせて貰います」
朝比奈は鞄から契約書を取り出す。これは知り得た情報を秘密にする約束である。無論、この企業に勤める沙織には元々機密を遵守する必要はあるが、それにも増して、厳しく約束する事であった。
「俺も・・・だよな?」
明神は朝比奈に尋ねた。
「あなたの分も当然、あります。日南さんから全てを聞いていたのでしょ?」
朝比奈は当然と言う感じだ。
「で・・・肝心のコレの事だけど」
明神は左手の親指と人差し指で和を作る金を意味するジェスチャーをする。
「・・・お一人、1千万円・・・それ以上は出せません・・・それに事が事なので・・・あまり無理はしないでください。個人的な意見ですが・・・ここが潮時かと」
朝比奈は緊張した面持ちでそう告げる。
「なるほど・・・解った。それだけ貰えば、満足だ。俺もそれなりに場数は踏んでいる。デッドラインは踏まないよ」
明神が納得した事で朝比奈が嘆息する。
沙織が説明を聞く為に椅子に腰掛ける。
「あなたも」
朝比奈が明神にも座るように勧めるが、二人の男の視線が気になったので、立ったままで良いと答える。
朝比奈が手にした書面を机に広げて説明を始めようとした時、徐に工藤が懐に手を入れた。明神はそれを見て、彼に「待て」と声を掛けた。刹那、彼はジャケットの懐から拳銃を抜いた。メッキが輝くトカレフTT-33自動拳銃。だが、安全の為か撃鉄は起きていない。いや、彼はそれさえも上げようとしない。多分、彼は撃ち方を知らない。トカレフはシングルアクションの拳銃だ。撃鉄が起きた状態じゃなければ、引き金を引いても撃てない。
「うあああああ!」
叫び声を上げて引き金を引いた工藤。当然ながら撃てない。それを知っていたからこそ、明神は拳銃を抜かずに彼を蹴り飛ばした。
「このクソ野郎」
明神は彼の股間を踏み潰すように蹴り、一撃で気絶させる。だが、突如、背後で銃声が聞こえた。明神は咄嗟に横っ飛びをして床を転げる。その時、見た光景は二人の男の手に拳銃が握られていた。そして、一人の男は工藤の行動に慌てて立ち上がった沙織の顔面を撃ち抜いていた。
朝比奈は目の前で沙織が撃ち殺され、悲鳴を上げる。
男達の手にした拳銃は銃身がとても短く、まるでハンマーを持っているような感じにも見える物だった。
H&K社 P7M8 自動拳銃
H&K社が1976年の西ドイツ警察のトライアルに参加し、P7として採用された拳銃である。かなり独特な機構を多数、採用し、当時と言わず、今日に至るまで、同様のアイデアを有した拳銃は無い。
発射機構は第二次世界大戦中にドイツ軍が開発した突撃銃に採用されたガス遅延式ブローバック方式を採用している。これは銃身下部にガスピストンシリンダーを有し、それがピストンと嵌合する形となっている。
銃弾を発射した際に発生したガスの一部がシリンダーに流れ込み、ピストンの動きを抑える。それで、遊底の動きを遅らせる。最終的には銃口から弾丸が飛び出し、銃身内部の圧が下がったところで、慣性に従って、排莢と装填の為に遊底が後退する。
この機構はメンテナンスの面倒臭さを除けば優秀な機構で採用する銃はそれなりにある。P7の特徴と言えるのはむしろ安全機構であるスクィーズコックである。これは銃把前部にある可動式のレバーを握り込む事でストライカー方式の撃針が射撃位置まで後退して、射撃可能にする仕組みだ。この方式だと引き金は常に一定の移動量で射撃が可能となり、尚且つ、シングルアクションのように常に撃鉄が起きているような危険性も無い。ダブルアクションとシングルアクションの良い部分を足したような仕組みであるが、その代わりにグリップにあるレバーを握り込まなくてはならないという独特の動きが必用となる。
遅延式ブローバックの機構的特徴で、銃身は完全な固定となる為、ストレートブローバック並の射撃精度の高さと銃身前にサイレンサーなどを装着しても動作に影響を与えないなどがある。しかし、その反面、薬莢が射撃後、薬室内に長く維持される為、圧に対して、破裂したり、張り付く危険性がある為、薬室内にフルート(溝)が彫られている。
尚且つ、ストライカー式と遅延式ブローバックのおかげで銃の全長をかなり短くする事が出来、同様の弾薬を用いる拳銃に比べて、非常にコンパクトなスタイルをしている。これはコンシールドという観点ではとてもメリットがあった。
デザイン的には最近では当たり前になった左右同様の操作性を有している。
つまり・・・この手の人間が隠し持つにはとても便利な拳銃である。
明神は腹から拳銃を抜く。コルトローマンはその小ぶりなフレームでスムーズに抜き放ち、構える事が出来る。互いの銃口が重なる時、銃声が鳴り響く。
距離は10メートルも無い。互いにプロなら外す距離じゃない。9ミリパラベラムの弾丸が頬を掠める。殺されると思った。引き金を引き絞り、撃ち放った。
弾丸が切れた時、男はその身体をグラリと崩す。もう一人が逃げ出した工藤と朝比奈の背中を撃ち終え、こちらに振り替える。彼は無言で何が起きたかを理解したようだ。銃口は明神を即座に追っている。
弾丸が尽きた回転式拳銃を相手に向けて放り捨てる。それは男の顔面へと飛び込み、彼は咄嗟に避ける。だが、それが射撃に間を開けた。
明神は先に倒した男の手から転げ落ちたP7M8自動拳銃を拾った。
「何だよこいつ」
一瞬、変わったグリップに戸惑う。だが、すぐにグリップを握り締めた。中指から薬指の感覚が握った瞬間、レバーを押し込む感じは変だった。だが、それでも狙いを定める。相手は咄嗟に投げつけられた拳銃を避けた所から構え直そうとしていた。逃げるよりも射撃を優先させたのはこの近距離では逃げれば背中を撃たれるのが当然だと解っているからだろう。
明神は引き金を絞った。ドンと銃弾が放たれた僅かに遅れる感じでスライドが後退する。空薬莢が中を舞う時、男の右腕に銃弾が叩き込まれる。幾ら鍛え抜かれた男でも、至近距離から撃ち込まれた弾丸の威力と痛みに耐えられない。彼は拳銃を握る力を僅かに失う。それはスクィーズコックという安全装置の上においては発射をすることが出来ないのと一緒だった。
明神はその間に二発目を放った。それは彼の額を撃ち抜き、後頭部へと抜けた。
その場に死体は4体。
「さて・・・どうしたもんかね」
明神は死体を眺めながら考え込む。
「派手にやってくれたな」
そこに声が掛けられた。明神の手にした拳銃は声の方に向けられていた。
「もう終わりだ。我々の負けだ。これ以上の面倒は好まないよ」
そこには一人の男が立っていた。
「今更、死体が増えたところで困らないだろ?俺を生かしておく理由が解らない」
明神は決して、銃口を降ろさない。彼の背後には多分、銃を携帯した輩が居る。数で来られたら、勝てる見込みなど無い。だが、簡単に殺されるわけにはいかない。
「なるほど・・・だけど、君、保険を掛けてここに来ているだろう?」
「保険?気付いていたか」
明神は笑った。
「あぁ・・・君に何かあったら・・・警察がここに気付く。そんな罠だよ。君にどんなコネがあるのか知らないが・・・それをそれとなくこちらが気付くようにしてあるのも憎いね」
「なかなかのもんだろう?」
明神はニヤリと笑った。
「あぁ・・・相手が警察とはね。防衛関係が嫌うのは警察って事を知った感じは上手いもんだよ」
男は軽く拍手をする。
「まぁな。こっちにも守らなければならないもんがあってな」
「そうかい。まぁ・・・君はビジネスが解る人だと思って、こっちもこれで手を引くよ。死体は・・・こちらで処理しよう」
「金は全部、貰っても良いかい?」
「あぁ・・・口止め料だ。持って行け。まったく・・・この女もとんでもない奴の所に行ったもんだ」
男は朝比奈の死体を見下ろして言う。
「まぁ、運が無かったのさ」
明神はアタッシュケースを二個、手にして、その場から去って行った。
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