074 オオカミがきたぞー(棒読み)

 両親とも喫煙者の家で育ちましたが、病気をしてからどちらもきっぱり禁煙して、たばこを吸わなくなりました。幼いころは家にカートンでたばこがあった。ところがそういうことに興味の湧く年齢になると、すっかり家の中はクリーンな環境に。かつてはたばこが週刊少年ジャンプくらいの値段で買えた、ような気がします。うろ覚えですし、おつかいに行かされた記憶もあいまい。

 成人式には煙の雲が地面から這い上がるように、あちこちモクモクしてました。火事かってくらい。昔はたばこにゆるくて、自分でも試してみたことがあります。今はにおいが苦手になっちゃいました。

 といっても、吸い始めで慣れていないと、たばこってちっともおいしくない。むせるし、のどが変な感じがします。味があるようなものでなし、慣れると今度は定期的に吸いたくなるので、なかなか扱いに困るしろものです。

 周囲の喫煙者に、どうしてたばこを吸い始めたのか尋ねたら、格好良いと思ったから、なんて回答が多かった。最近はドラマの喫煙シーンにもクレームが来るらしいですが、古い映画では小道具として頻出します。西部劇なんて、たばこ吸わない方が少ないんじゃないでしょうか。

 大人のたしなみとして、認識されていたのかもしれません。学生で、不良っぽいことをするとなると、だいたい入ってくるアイテムです。学校に吸い殻が落ちていて、ホームルームで注意を聞かされる、なんて体験もしました。

 わたしの通っていた高校は、近隣にコンビニがありました。でも、昼ご飯をそこで買ってくるのはダメという校則もあった。一度、敷地を抜け出して昼にコンビニへ行ったら、先生にバレて反省文を書かされました。学校って、あまりに文化が異なるので、びっくりします。同じ市内でも、学校が変わると別世界。授業中におやつやご飯を食べてた、買い出しなんて普通でしょ、なんて話を聞くと、自分の通っていたところは何だったんだ……とあんぐりしちゃいます。

 中学校では、部活でもらったお土産を校内で食べていたら、通りがかった教師に怒鳴られたことも。一緒にいた子は泣いてましたっけ。わたしといえば、あほらし、と思っていましたけれど。同じく反省文を提出させられたような気がします。泣いていた子は、まじめだったんでしょうね。

 おっと、わたしだってまじめがウリですから。気が狂ったとか言わないように。これで平常運転です。わたくし、たまに自分は普通だと周囲へアピールするのですけれど、同意されたことがありません。信じてプリーズ。いわしの頭もなんとやらですよ。

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