073 味があるようで、別にかわいいとは思わない感じ

 ついつい遊んでしまうゲームに、キャンディ・クラッシュ・サーガというタイトルがあります。Windows10へアップデートしたら、初めからアプリが入っていたので、なんとなくやりだしたのがきっかけです。

 遊園地のような音楽と、海外らしい微妙なデザインのキャラクター。味があるようで、別にかわいいとは思わない感じです。スマートフォンだと指ではじいて遊ぶのでしょうけれど、パソコンなのでマウスで操作している。黙々と、延々とできてしまうんですよ。なんででしょうね。

 いくつか要因は考えられます。まず操作が単純であること。そして画面上の視覚効果が派手であること。パチンコがスマホ向けゲームに客を取られている、なんて話を見ますが、共通点があって本当にそうだと思います。お客さん側にお金が増える可能性があるかどうか、という要素を追加すると、ほぼそのまま。

 そしてゲームの中でもらえるアイテムが、課金しなくてもそれなりにあるのがもうひとつの要因と思っています。これはユーザーへアイテムを使わせるのに、抵抗をなくす効果がある。アイテムがなくなったら、追加購入するのは通常、心理的なハードルが高いので、慣らし運転をさせているわけです。

 ただしゴールが見えないのが弱点で、ステージが先へ進む、という仕掛けによってカバーしている。終わりがないので、飽きる人はいるはずです。パチンコなどは、お金が儲かるかも、という部分でカバーしています。ゲームの場合は、そこがちょっと弱い。

 そのため続けてもらう工夫として、ステージが進むごとに新要素を追加したり、イラストを変えています。小手先のテクニックなので、キャンディ・クラッシュに関して言えば、100ステージを超えるとだんだんユーザー層が変わってきます。クリアするとランキングが横に表示されるのですが、その名前が序盤はバリエーションに富んでいる。100を超えると、だんだん似たような名前ばかりになってきます。自然と振り分けられているのです。

 スマホゲームには、ご褒美にイラストがもらえるタイプのものや、景品がもらえるものがあります。基幹のシステムはスマホに依存しますから、どうやってもできる操作に制限が生まれる。単純作業やくり返し同じ動作をするのって、人間は好きなんだなあと感じます。

 ゲームセンターや据え置き型の家庭用ゲーム機が、VRなどを駆使した体感型へ移行していく流れは、なかなか興味深いところです。

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