065 10代から歳をとらない人
所用で人と会うことになりまして、電車を乗り継ぎ都市部へ出かけてきました。ネットで知り合った人を仲介して出会ったのですけれど、仲介してくれた人とは未だに対面したことがなく。インターネットというか、縁って不思議なものだと感じています。
帰りの道中、ちょうど夕方で帰宅する人たちと鉢合わせました。日が落ちていて窓の外は真っ暗だし、することがない。ぼんやりしていると、斜め前の男性がタブレット端末で動画を見ている。彼は一眼レフカメラの、円筒形レンズの紹介動画をチェックしていました。
YouTubeではああいう動画がいくつか出ていますね。わたしも楽器の紹介動画を見ました。でもレンズって、説明してわかるものなんでしょうか。カメラに詳しければ、聞いていてなんとなく想像がつくものなのかもしれません。
その後、比較的大きめの声で女の子がしゃべっている声が届いてきたので、聞くというほどでもなく、耳にしていました。どうやら彼女たちは新学期を迎えて、新しいクラスメイトと共同で演劇をすることになった。新しい仲間はずけずけモノを言うタイプで、お姫様役の子はもう決まっている。衣装が豪華なドレスで、その子は「わたしも着てみたい」とみんなのいる前で本人に言った。あたしは、とてもじゃないけれど、そんなの言えない、役を自分にやらせろと言っているようなものじゃない、とぼやいていまして。
いるよねー、そういう空気読めない子、と思っていたら別の子の話になった。その子はまだ決まっていない事項を、もう決定したこととして人に伝えてしまうので困っちゃう、なんて愚痴っていました。わたしは同じくらいの年のころ、帰り道で友達と何を話しただろう。えーと……たぶん先生への不満だったり、クラスメイトの陰口だったり、最近見たテレビの話だったり――って世代が変わっても、似たような話をしている気がします。全然成長してない。ありゃー。
どの子の話だったか、彼女たちのクラスメイトにはセレブがいる、ということでした。わたしは瞑想モード入ってたので、過程はわかりません。ここでいうセレブはお金持ち、くらいの意味です。学生でねー、ほ~ん、と思いつつ続きを聞くわたし。その子の住んでいるマンションにはきれいにお化粧した受付嬢がいて、階段はらせん状で、部屋にはホームシアターがある。聞いているうちにモノホンのセレブだわ! と理解しました。
話をしている当人たちも感嘆していて、わたしもティーネイジャーと同じだと再確認できた一日でした。へっへっへ(10代の笑い方じゃない)。
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