057 リアル太鼓の達人

 太鼓の達人というアーケードゲームがあって、たまに気が向くと、でこでこ叩きます。キャラクターもかわいいので好みです。収録されている曲数はたくさんあるものの、やっぱり馴染みのある曲を選びがち。ミスして途中で終わったら、それまでだもんね。

 ストレートでクリアすると、3曲は遊べます。ステージを追うごとに、だんだん難しくなるかというと、これが自由裁量。最後までヌルゲーとして楽しむこともできちゃうのです。ビギナーにはやさしく、ハードコアな達人は叩きながら奇妙なダンスをする。バチを持って、曲間にくるっとターンを決めたり、謎のポージングをしたり。そんな上級者たちの生態を、運が良ければ動画サイトで見られるかもしれません。検索してもしなくてもいいです。太鼓の達人の、真の意味に気づいたと感じたら、それは紛れもなく誤解ですので、そこんとこよろしく頼みましたよ。

 自分で曲を選べるだけに、どのくらいの難易度なら達成感を得られるか、判断するのがなかなか難しい。曲によっては簡単すぎて消化不良のまま終わってしまうし、リズムがとりにくくてサビすらできず、途中で終了しちゃったものもあります。体感で覚えられるくらいの回数をやればいいんでしょうけれど、そこはわたくし、ゲームじゃなくて実物へ移行しました。

 かつて町内会に所属していたとき、夏祭りで太鼓を叩く係へ志願したのです。これが人数が足りないとかで、あっさり認められました。全部で5人くらいいたかな。序盤はちびっこが叩きます。夜が更けてきたら、大人たちがスティックを振り回して、宵に汗を飛ばす。そういう、やらしーフェスティバルです。

 叩くリズムもパターンが少なく、2パターンを使い回して、曲によって切り替える。曲数だけは10曲近くあって、それなりに充実してます。

 なぜかというと、盆踊りの音頭をとる太鼓なんですね。なので、あまり複雑でプログレッシブな、変拍子入れまくりのグルーヴだと踊れない。浴衣を着た、ちびっことお年寄りが輪になってぐるぐる回る儀式がジャパニーズ盂蘭盆会うらぼんえですから、覚えやすいのが大事です。年に一度しかしないのに、覚えられないですよ。

 3年くらいはリアル太鼓の達人、もとい太鼓の素人見習いしてましたかね。本物は2時間どころか5分でギブ。しかも交代でやってるのに、2時間後には手のひらがまめだらけで、痛いのなんの。風呂でシャンプーするとき、ぷるぷる震えてました。筋肉痛で。

 太鼓はやっぱり、持つに限ります。お兄さんかっこいいー。お姉さんもおしゃれー。

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