045 チーズはおかずになり得るか

 フランスでは、食後の別腹としてチーズをつまむのだとか。デザートとは別に。日本でもチーズは出回っています。けれどおかずというには中途半端だし食材か、おやつ、つまみの位置づけでしょう。おやつにしては高価で分量が少ない。何より濃すぎる。ワインの高級おつまみ、という売り出し戦略は妥当に感じます。

 ポジション的に座りの悪い食べ物でありながら、わたくしチーズ好きなので、現在も冷蔵庫にナチュラルチーズが数種類ほど、保管されています。温存しすぎて、ラクレットは賞味期限切れちゃいました。カマンベールに近い味のチーズです。そのままでも食べられるけれど、温めて溶かした方がよりおいしい。

 そんな悠長に話してるなら、はよぅお食べ、って感じですが。さきほどは、さけるチーズをつまみました。ちまちま裂いて、手間をかけながら食べるのがおつです。これはプロセスチーズですね。

 どちらかというと、プロセスチーズはあまり好みではなくて、比率は低め。ただし明治から出ている6Pチーズで、お気に入りのものがあります。それはたまに食べる。QBBは味付けが、どちらかというと、わたし向きじゃない感じ。あの素朴な味わいがいいんじゃないか、って人もいると思います。

 種類としては、チェダーチーズかパルメザンがいいですね。後者は粉じゃない、かたまりのものも食べましたが、ちょっとしょっぱめでした。円形になっているのを、ケーキみたいに何等分かにしてあります。一番端は風味が落ちるので、捨てちゃってもいい。溶かして、汁物の出汁代わりにも使えます。

 ブルーチーズは酸味があって、独特のクセや香りが人を選ぶ。わたしはそのクセが好みで、うーん……と思いながら突っついているうちに、お皿が空になってました。おつまみ用だと、塩そのままな味にしてあるものから、塩分少ないあっさり味まで、ふり幅が広かったです。選ぶのが難しいと感じました。上級者向け。いまだに、ベストはこれ、というのが見つかっていません。キャステロ・ブランドは、食べやすかったかな。

 カマンベールはどれを買っても、値段の高い安いに関係なく、それなりにおいしいです。無難な味わい。パルメザンと同じで、皮の部分は味が落ちるとされています。でもやっぱり、独特なクセがついつい箸を進ませるといいますか。フランス産のサン=タンドレは、皮の部分にふわっふわの白カビがびっしり並んでいて、パッケージを開けたとき、口に運ぶまでにためらいました。あれはすごいので、一見の価値あり。味はクリーミーでおいしかったです。

 チーズのよさは、あのクセを好きになれるかどうか。映画と一緒で、くせものには、味わいがあります。

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